応用統計学
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13 巻, 2 号
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  • 宮川 雅巳, 原田 哲也
    1984 年 13 巻 2 号 p. 61-70
    発行日: 1984/11/20
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    システムのMTTFをこれを構成するコンポーネントの寿命データから推定する問題を扱う.そこでまず,コヒーレントシステムを対象にして,寿命特性として信頼度を取り上げた場合の推定法(宮川[8])に基づき,システムのMTTFに対する最尤推定量,一様最小分散不偏推定量,ノンパラメトリック推定量(U-統計量)がシステムの構造関数の標準形を通して統一的に表現されることを示す.その上で各推定量を偏りと平均2乗誤差,並びに想定する分布形からのズレに対する頑健性などから比較検討し,ここで提示するU-統計量の有用性を示す.
  • 大竹 正徳, Dale L. Preston, 山本 務
    1984 年 13 巻 2 号 p. 71-82
    発行日: 1984/11/20
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    被爆者の胃癌データ解析に当ってはCox比例ハザード法と三つの統計学的方法とを比べて,一つの有効な方法を決めた.ここで検討した三つの方法とは,いずれも観察人年数に基づいたものである.すなわち,胃癌症例数が独立な多項分布に従うとする1)一般的層訂正法,及びボアソン分布を仮定して,随伴する要因をモデル化した2)加算的ハザード法と,3)指数加算的ハザード法などである.方法1)は,放射線誘発癌リスクとしての回帰のパラメータ推定には安定しているが,2)は不安定である,特に3)の回帰推定値は,Coxのそれと比べて極めてよい近似を与える,興味ある点は観察人年数を用いた胃癌データへのグループハザード解析の有効性が数値的検討によっても示唆される.この方法の有効性の詳細についてはStewartら[13]を参照されるとよい.このグループ解析法の特徴はCoxの部分尤度法の複雑さを避けると同時に,多くの観測値にタイが認められる場合の近似法にもよらず,標準的尤度法によって応用する点にある。更に,分割表による解析は観測値と期待値との関係からデータの特性が比較的に理解し易い.
    方法3)ではGLIMを用いてパラメータは容易に推定される.したがって,方法3)によって,胃癌データの線量と時間との関係を検討した.この結果は線量と時間との交互作用によるリスクの増加は認められず放射線誘発胃癌リスクと時間リスクとの間は加算的であることが認められた.
  • その近似と応用
    竹内 啓
    1984 年 13 巻 2 号 p. 83-101
    発行日: 1984/11/20
    公開日: 2009/12/02
    ジャーナル フリー
    非負整数値をとる確率分布で
    P(X=x)=p(x)=CΠbj(x)/xaj(x) θx
    ただし
    a(x)=Γ(a+x)/Γ(a)
    と表されるものを一般超幾何分布という.これはボアソン分布,2項分布,負の2項分布,超幾何分布,負の超幾何分布等をふくむ.この分布はすべての母数が大きくなるとき,正規分布で近似できる.更にEdgeworth型のよりくわしい近似式がStirlingの公式を用いて導かれる.
    このような型の分布はボアソン,2項等の分布,或いは高次の2n型分割表について,交互作用,或いは高次の相関等に関する仮説の検定統計量としても現れる.従ってそれらの検定問題について,分布の近似が実用上有用である.検定統計量が一般超幾何分布で与えられるような一般的な仮説のクラスと,その例について論じる.
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