応用統計学
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37 巻, 3 号
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特集:時空間統計(III)
  • 大瀧 慈, 佐藤 健一, 中山 晃志, 川崎 裕美, 島本 武嗣, 冨田 哲治, 大谷 敬子, 片野田 耕太, 祖父江 友孝
    2008 年37 巻3 号 p. 109-123
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/01/25
    ジャーナル オープンアクセス
    市区町村別死亡率データを使用した死亡危険度の地理分布を把握するための統計的方法について考察した.方法は,人口規模で規定される円状近傍を用いて空間平滑化された値を期待値とするポアソンモデルに基づくものである.さらに,その平滑値に対してガンマ揺らぎモデルに基づく経験ベイズ法および交叉型尤度による修正についても検討した.提案された方法により,相対死亡危険度に関する標準化死亡比(SMR)の縮小推定量が求められ,各市区町村別の粗SMRが局所的なその近傍平均値の方へ縮小される.我々は,本方法を1993年から2002年の期間における日本での部位別悪性新生物死亡率データへ適用し分析を試み,その性能を検証した.その結果,空間分布の概観を把握する上で,ガンマ揺らぎモデルによる調整が有効であることが分かったが,単純平滑化に較べて顕著な向上は観られなかった.
研究論文
  • 白石 高章
    2008 年37 巻3 号 p. 125-150
    発行日: 2008年
    公開日: 2012/01/25
    ジャーナル オープンアクセス
    多群モデルにおける分布に依らない平均差に関する同時区間推定論は,2群間の観測値の順位に基づく手法が提案され,幾つかの洋書で記述されている.しかしながら,いずれも明解で正確な表現がなされていない.この論文では,順位統計量が離散分布に従うことを考慮し,信頼係数1-αに対する順位統計量の領域を正確に表現する.これを基に,ガウス記号を使って明解で簡潔な同時信頼区間の表現を行う.大標本の場合の手法について2つの表現を与える.特に,すべての平均差の統計量に関する同時漸近分布について,上界と下界を与える分布を導き,漸近的保守度が小さいことを示す.さらに,漸近的な同時信頼区間が,シミュレーションにより保守的であることが検証できた.これにより,群サイズが大きい場合には, 正確な同時信頼区間の表現を基にしたシミュレーションによる同時信頼区間の方法を推奨することができる.分布と外れ値に関する頑健性を述べ,生のデータを解析する.
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