応用統計学
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27 巻, 1 号
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  • 清水 信夫, 水田 正弘, 佐藤 義治
    1998 年 27 巻 1 号 p. 1-16
    発行日: 1998/06/24
    公開日: 2009/12/02
    ジャーナル フリー
    Principal Pointsは,Flury(1990)により提案され,クラスター分析におけるk-means法と同様の規準に基づいて,与えられた確率分布の密度関数をk個の領域に分割する際に最適となるような各領域のある種の中心点として求められる.このPrincipal Pointsは,理論的に様々な興味深い性質をもつほか,応用的にもクラスター分析や最適配置の理論などと関連が深く,天気図の解析に応用する研究も行われている.
    本論文では,対称性を有する確率分布が与えられた場合のPrincipal Pointsに関する理論的考察および計算機シミュレーションを行った.その結果,対称な1変量確率分布のうちロジスティック分布と両側指数分布に関しては3-Principal Pointsが期待値に関し対称であることが示され,1変量混合正規分布については重みや分散の値によっては非対称な3-Principal Pointsが存在することが確かめられた.また,2変量が互いに独立な正規分布における分散共分散行列とk-Principal Points(k≦5)の関係についてk-means法と同様のアルゴリズムによる計算を行った結果,k-Principal Pointsの形がk角形から直線に変わる分散共分散行列の境界値が求められた.さらに2変量標準正規分布におけるk-Principal Points(k≦11)の配置について考察した.
  • 村木 千恵, 大瀧 慈, 水田 正弘
    1998 年 27 巻 1 号 p. 17-31
    発行日: 1998/06/24
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    1993年,1994年および1995年日本の夏期の天気は,極端な特徴をもって異なる傾向を示した.これら各年の夏期の天気図パターンの特徴を把握するために,主要点解析法(Principal Points Analysis)を組み込んだ多変量解析の適用を行った.まず,各年の7月と8月の日々の極東天気図パターンに対して40次元(高層天気図の場合は42次元)ベクトルによる数量化を行った.次に主成分分析の適用による次元の縮約および成分の直交化を行い,最後に主要点解析を適用した.その結果,地上天気図に関しては5個,高層天気図では4個の代表パターンが抽出された.さらに,日々の天気図パターンを最も類似度の高い代表パターンに類別し,年別の出現頻度を比較することによって,各夏期における特徴的な天気図パターンを特定することができた.
  • 高橋 宏一, 鈴木 達三
    1998 年 27 巻 1 号 p. 33-40
    発行日: 1998/06/24
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    1次抽出単位を確率比例(必ずしも大きさに比例しない)抽出し,抽出された1次抽出単位から,あらかじめ母集団の各1次抽出単位ごとに定められている個数(1次抽出単位ごとに異なってよい)の2次抽出単位を単純無作為非復元抽出する,という一般的な2段抽出法を考える.このとき,得られた標本に基づく1次抽出単位間分散及び母分散の不偏推定量を提案する.
  • 光森 達博
    1998 年 27 巻 1 号 p. 41-51
    発行日: 1998/06/24
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    インターネットは,個人でも容易に利用できる環境が整ってきたが,応用統計に関わるものにとってインターネットはどのように活用できるだろうか.情報を受ける立場と情報を発信する立場に分けて,インターネットを応用統計に活用する場合の課題と問題点を考察した.情報を受ける立場からは,どのような考え方で情報収集活動を行うべきかについて議論し,そのためにはどのような方法があるかをわれわれの事例に基づいて紹介した.情報を発信する立場からは,何をどのようにして発信していくかという問題を,公開されているWebページを紹介しながら議論した.最近では,例数設計や簡単な統計解析ができるWebページもいくつか出てきており,応用統計に特有のインターネットの活用方法も考えられるようになってきた.そのひとつとして,Java Scriptを用いて簡単な統計計算を含むWebページを作成する方法を紹介し,応用統計への活用について議論した.
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