応用統計学
Online ISSN : 1883-8081
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45 巻, 1-2 号
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研究論文
  • 山田 健太郎, 黒木 学
    原稿種別: 研究論文
    2016 年 45 巻 1-2 号 p. 1-24
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/12/01
    ジャーナル オープンアクセス

    本論文では,ICSTCT (Amundsen and Hyden, 1977) によって与えられた交通コンフリクトの定義にある反事実的表現 “there is a risk of collision if their movements remain unchanged” に着目し,この反事実的表現を考慮に入れた交通コンフリクト指標として “Potential Response Inspired Conflict (PRIC)” を提案する.提案に先立ち,既存の交通事故リスク指標がこの反事実的表現を適切に反映していないケースがあることを指摘する.次に,この反事実的表現を考慮するために,因果推論のフレームワークで使われている潜在反応モデルを導入し,PRICを定義する.PRICは,回避行動をとらなければ衝突事故を起こし,回避行動をとれば衝突事故を起こさないであろうドライバー群を想定し,そのドライバー群において実際には衝突事故が起こっていない確率を交通コンフリクト指標とするものである.続いて,PRICは交絡因子が同定されたとしても識別可能となるとは限らないことを述べたうえで,PRICが識別可能であるための3つの十分条件を与える.加えて,これらの識別可能条件が成り立たない状況において,いくつかの因果的仮定に基づいて,観察確率によるPRICの存在範囲を定式化する.さらに,いくつかの数値例をとおしてPRICと既存の交通事故リスク指標がしたがう基本的な分布を比較する.最後に,PRICを“The 100-Car Naturalistic Driving Study” (Dingus et al., 2006)データへ適用し,その有用性を検討する.

  • 松井 秀俊, 三角 俊裕, 横溝 孝明, 小西 貞則
    原稿種別: 研究論文
    2016 年 45 巻 1-2 号 p. 25-45
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/12/01
    ジャーナル オープンアクセス

    非線形混合効果モデルを用いた,経時測定データに対するクラスタリング手法について考察する.本論文では,基底関数展開に基づく非線形混合効果モデルを適用することで,経時観測データを平均効果関数および個体ごとの変動を表したランダム効果関数を用いて関数データとして表現する.次に,ランダム効果関数集合に対して,自己組織化マップやウォード法等の手法を適用してクラスタリングを行う.提案した手法を,微小粒子状物質データ,気象データおよび台風経路データへ適用し,有効性を検証する.

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