応用統計学
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23 巻, 3 号
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  • 松田 眞一
    1994 年 23 巻 3 号 p. 129-145
    発行日: 1995/03/28
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    一元配置多重比較で誤差に正規分布を仮定できるとき,処理群の等分散性に疑問のある場合がある.その場合は予備検定を行って等分散性をチェックし手法の選択を行うことが一般的によく用いられている方法である.しかし,その際に総合的な有意水準が保たれていないことはあまり知られていない.本稿の目的は従来の予備検定法を改良してシミュレーションでその動向を探ることにある.本稿で提案する不等分散の下での多重比較法と不等分散を重視した予備検定法は総合的な有意水準をほぼ保つことが確認された.
  • 飯田 孝久
    1994 年 23 巻 3 号 p. 147-153
    発行日: 1995/03/28
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    時間や資源に制限がある場合に,因子数の大きい実験を行う方法に,2水準の過飽和実験がある.その一つとして,L12の各列とそれらの2列交互作用列に因子を割付けるWuの計画がある.しかし,この計画では因子間に交互作用が存在した場合に,それらが他の主効果と完全に交絡する場合がある.本論文では,L12の11列に一般平均を加えた12列を6列ずつの集合に分け,各々の集合から1列ずつ取り出した2列の間の交互作用列である36列からなる計画を提案した.これにより,主効果が他の列と完全に交絡することを避けることができた.また,このような配列が2通りあることがL12の5列の同値類から示すことができた.この計画の性質として,内積の平方の平均による評価が,今までに提案された2水準過飽和実験と比較してもそれほど悪くないことが確認できた.さらに,因子間に交互作用がありそうな因子については,因子の割付けに工夫すれば,その影響を抑えることができることを示した.これらの性質は,L12の3列および4列間の関係の一意性から導くことができた.
  • 山田 秀
    1994 年 23 巻 3 号 p. 155-162
    発行日: 1995/03/28
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    目的変数yと説明変数xとの間に線形回帰モデルが成り立つ場から,n組のデータが独立に収集され,さらにxが未知の水準X0のもとでyに関する新たなデータがm個収集されたとする.このとき,これらのデータからX0を推定することは,回帰の逆推定問題と呼ばれる.X0の推定量としては,一般化逆回帰推定量等がある.本研究では,新たなm個のデータの中に外れ値が1つ存在する場合をとりあげ,外れ値がこの推定量に与える影響についての考察を行う.まず,外れ値が一般化逆回帰推定量の期待値,MSEに与える影響について漸近的に考察を行う.そして,外れ値の存在によるMSEの増加を避けるために,実際的な観点からは平均の外れの影響を考慮する必要があることを示す.この結果を踏まえ,従来提案されている推定量に,メジアンを代入した一般化逆回帰推定量,偏りを修正した一般化逆回帰推定量を加えて数値的に検討を行う.以上の結果をもとに考察を行い,mが3以上の場合には,メジアンを代入した一般化逆回帰推定量を用いればよいことを示す.
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