応用統計学
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18 巻, 2 号
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  • 白 倫
    1989 年 18 巻 2 号 p. 53-65
    発行日: 1990/02/10
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    太さ不明の繭糸を幾本か集束して,目標とする平均太さの生糸を自動生産する技術が確立されて以来,製糸技術の問題は,生糸上にとき折り生じる細むらの管理技術に向けられてきた.本論文では,生糸の平均太さ維持のために繭糸の補充を指示する細限繊度(太さ)値と,糸むらを発生させる細さの限界値である糸むら限界繊度値に注目して,それら2つの限界線内にある生糸の太さの変化過程がそれらの限界線を初めて切って区間外へ流出する初通過問題に関する基本恒等式を導いた.また,それにより糸むら欠点の発生する確率と糸むら欠点が発生せず細限繊度以上に回復する確率を与えた.さらにこれらの結果を用いて糸むら欠点管理への適用例を示し,シミュレーション実験によりその結果の妥当性を検討した.
  • 藤掛 眞里子, 二宮 理憙, 藤田 秀樹
    1989 年 18 巻 2 号 p. 67-84
    発行日: 1990/02/10
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    頭頂部緩反応(SVR)は音刺激により脳波上に誘発される聴覚誘発反応の1つで,自覚的聴力検査の困難な幼児や精薄老に対する客観的聴力検査などに使用されている.SVRを含む脳波はシグナル・ノイズ比が非常に小さく,SVRと自発脳波の周波数成分が互いに重なりあっているため,従来のフィルタリングやスムージングだけでは,自発脳波を充分低減できない。そこで,SVRの測定には,音刺激を繰り返し与え,音刺激時点を基準にして脳波を平均加算する平均加算法が現在では使用されている.
    この平均加算法は,シグナル・ノイズ比が低いデータでは加算平均の回数を多くしなければならず測定時間が長くなる.一方,脳波は生体の状態により絶えず変動しておりほとんど定常性を仮定できない.この非定常性のため,脳波を長時間平均加算することは効率が悪く,得られたSVRに歪が生ずる危険性がある。
    本論文では,SVRを含む脳波から効果的にSVRを抽出する新しい手法(符号化加算法)を提案する.まず,対象データの統計的解析結果からモデルを作成し,専門家の知識を用いてそのモデルを簡単化する.次に,簡単化されたモデル上で,信号を見落とさず,かつn回の加算平均で雑音成分を拾わないようなデータの符号化を行い,最後に,符号化データを加算平均する.このアルゴリズムが符号化加算法である.この符号化加算法の有効性を音刺激中の脳波からSVRを抽出する問題に適用して検討する.
  • 松原 義弘, 後藤 昌司
    1989 年 18 巻 2 号 p. 85-97
    発行日: 1990/02/10
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    生存時間研究でのグラフィカル接近法は体系的に整備されていず,その有用性を発揮するまでに至っていない.本稿では,この点に留意して生存時間解析におけるグラフィカル表現法の基本をなすハザード・プロットとその変法について考察し,対数累積ハザードの差分プロットを提示した.さらに,比例ハザードモデルを適用したときに診断で有用となるグラフィカル接近法を紹介し,同様の検討を行った.これらの方法を3種の文献例に適用し,その有用性を評価した,
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