応用統計学
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4 巻, 3 号
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  • II.分布解析法
    久野 英二
    1974 年4 巻3 号 p. 83-100
    発行日: 1976/04/30
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    分布様式の数理モデルを論じた前報に引き続き,本報では現実のデータを用いて分布の定量的解析を行なうための方法とその基礎理論について論じた.一般的にいって,分布の解析には個々の分布の量的特性を適当なパラメータの形に集約した上でゝの条件下でその動向を総合的に把握するのが実り多い行き方であり,この目的のためのパラメータとしては分布集中度(不均質度)およびこみあい度の両概念に立脚したものが生態学の見地からは適当である.この基本線に沿った標準的な解析法として密度一こみあい度関係の解析に基礎をおく一連の方法―m-m法―がある.ここではこのm-m法を基準において,前報で導いた生物分布の一般モデルを土台としながら分布解析のさまざまな場面に対応する基本的な諸関係を導き,これを整理,類型化して広範な適用のための理論基盤の整備を行なった.
  • 福原 文雄
    1974 年4 巻3 号 p. 101-109
    発行日: 1976/04/30
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    基本的に正準変換の考え方に基づき,Wilksのサンプルスキャタsample scatterを基準統計量として,一般的な判別モデルを導く.一般の正準変換の場合よりはるかに簡単な制約条件をおいて判別空間を確定する.また伝統的な正準変換の理論を援用することによって,判別空間の次元を決定するための統計量が容易に得られる.とくに2判別のために工夫されたFisherのモデルや線型確率関数は,この一般モデルの特別の場合と考えることができる.
    応用例として,耕地の区画整理後の換地処分において中心的な役割を果す土地評価の問題にこのモデルを応用してみたので,それをとりあげた.評価委員の直観的判定を,このモデルを通じて,説明要因のパタンと対応させる手続きを繰返していわゆるnoiseを除き,安定した評価モデルを得た.この考え方自体はDelphi法のそれと同じである.
  • 不完備型乱塊法の解析例
    吉田 実
    1974 年4 巻3 号 p. 111-118
    発行日: 1976/04/30
    公開日: 2009/06/12
    ジャーナル フリー
    ブロック(B)としての反復および同一ブロック内の反復数がそろっていない不完備型乱塊法計画の解析例として,n-パラフィンに培養した酵母を鶏に与えて5世代まで飼育した実験の結果を示した.検討した飼料因子(D)は,対照飼料と酵母飼料の2水準であるが,酵母は単一ではなく,Y1,…Y4の4種類なので,D×B交互作用平方和はY間差とYとBの交互作用に分割され,さらにD主効果とY間差とは,それぞれのYと対照との比較に4分割される.実行上の制約から,測定項目によっては,統計的判断に栄養学的判断を加えて,総合的に判断する必要があることが考察された.
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