合成化学原料としての芳香族炭化水素の重要性は, 石油芳香族の出現いらい一層増大しつつあるが, 近年におけるその特徴は, 医薬, 染料, 火薬など, いわゆる精密化学製品の合成原料としてよりも, むしろ大規模に製造, 消費される合成繊維, 合成樹脂, 合成ゴムなど, いわゆる合成高分子物質の製造原料として, オレフィンとならんで芳香族が重要な役割を占めつつあること, ベンゼンのみならずトルエソ, キシレン, ナフタリンなども年間数万tの視模で消費される合成原料となつたことなどである。
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