本論文は射撃指揮具に於ける航速測定に用ひらるる摩擦圓盤裝置の精度を研究せるものにして誤差をその原因より分類し機素誤差,組立誤差,固有誤差とす(第2章).機素,組立兩誤差を理論的に考察しその大いさを實例に就き求めその補正法を考察す(第3,4章).斯の如き兩誤差を除くも尚生ずる本質的なる固有誤差を實驗的に求めたり(第5章).本誤差の檢討に當りては基礎的なる二物體の接觸に依る變形の實驗より始め,次で生じある固有滑りを實驗結果より種々の條件の下に求め之が原因を考察し,その補注手段を講じ要求せらるる精度を充す如くせり.尚將來新しき摩擦圓盤裝置の設計に當り必要なる資料を述べたり.
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