平面形磁性接点ばねについて, 静負荷特性を調べ, さらに励磁状態における負荷特性を検討した結果, 次のことが明らかになった.
(1) 平面形磁性接点ばねは3自由度モデルとして扱ってよい.可動片内の等スティフネス線図は楕円となり, 負荷中心でスティフネスは最大となる.
(2) 固定接点の中心線上に負荷力が作用する場合には, 静負荷特性では, 偏心量の増加に伴って初期閉成負荷力は減少し, 最終閉成負荷力は増加する.また, 回転に対する剛性が大きいほど安定な接触状態が得られる.
(3) 実際の駆動では励磁状態の負荷特性で考えていく必要があり, 特に磁束の集中によるモーメントの影響, すなわち負荷点の変動が大きくなる.
(4) 回転に対する剛性が小さい
x方向では, 偏心量が大きくなると, 可動片は支持板と固定接点とにブリッジを形成し, 最終閉成に要する負荷力は非常に大きくなる.
(5) 起磁力が初期閉成起磁力の1.2倍という条件では, 安定な接触状態が得られる許容偏心量はε≦0.12である.
実際にはばね形状と寸法に若干の手直しを加え, 負荷中心を
xc/
d=0.83/8.9=0.093とすることにより, 許容偏心量はε<0.24まで向上させた.
抄録全体を表示