関西医科大学雑誌
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47 巻, 1-2 号
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  • S. Uetsuji, H. Komada, Y. Okuda, A. Imamura, A. H. Kwon, Y. Kamiyama
    1995 年 47 巻 1-2 号 p. 1-4
    発行日: 1995/06/20
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    Evaluation of liver reserve function, i. e., the severity of cirrhosis is very important before hepatic resection. We studied the usefulness of the splee/liver volume ratio (S/L ratio) calculated from computed tomography (CT) images for evaluating the severity of liver cirrhosis.
    The volumes of the liver and spleen were measured and the S/L ra tio was calculated and in 58 patients encountered at our department during the past 3 years,42 patients with liver cancer complicated bt liver cirrhosis and 16 with liver cirrhosis complcated by esophageal varices. We studied the possible correlation between the S/L ratio and ICGR15, serum bilirubin (s-bil), Serum albumin (s-alb), or cholinesterase activity (Ch E), which are indices of liver function. There was a correlation between the S/L ratio and each index of liver function. The S/L ratio was correlated positively with ICGR15 and s -bil, and negatively with s-alb and Ch E.
    When the severity of live r cirrhosis is evaluted, consideration should be given not only to the liver volume resulting from decreased effective blood volume but also the increase in the spleen volume due to increased portal pressure. The measurement of the S/L ratio, which reflects both effective liver blood flow and factors increasing portal pressure, may be useful for evaluating liver function.
  • 中森 久人
    1995 年 47 巻 1-2 号 p. 5-12
    発行日: 1995/06/20
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    非Q波心筋梗塞患者52例を急性期心電図所見としてのaVR誘導のST上昇とaVR以外の誘導のST低下を認める1群11例(男8例,女3例,平均66歳),いずれか一方を認めるfi群16例(男13例,女3例,平均58歳),いずれも認めない1猛群25例(男13例,女12例,平均60歳)の3群に分類し,冠状動脈造影,左室造影,負荷心筋シンチ所見を対比検討した.左室駆出率は,全例の平均66%と心ポンプ機能は良好に保たれており,3群問にも差を認めなかった.一方,冠状動脈造影では多枝病変例,左前下行枝病変例,側副血行を有する例の占める割合は1群がR群および皿群に比して有意に多く,平均冠状動脈病変枝数,Gensiniscore,jeopardyscoreもI群がII群およびIII群に比して有意に大であった.また,有意狭窄病変を認めない例がII群5例(31%),皿群7例(28%)に見られたが1群には認めなかった.負荷心筋シンチでは,展開図を用いて定量的に求めた梗塞領域は各群の平均で10%以下と小さく,3群間に差を認めなかった.一方,運動負荷による虚血領域および一過性虚血領域は1群はIII群に比して有意に大きく,H群に対しては大なる傾向であった.すなわち,I群は梗塞領域は他の2群と同様で大きくはなく,心ポンプ機能も良好に保たれているが,全例75%以上の有意狭窄病変を持ち,II群およびIII群に比して冠状動脈硬化性病変が進行しており,運動負荷などにより虚血に曝される領域も広範囲であった.
    以上のことから,aVR誘導のST上昇とaVR以外の誘導のST低下の両者の急性期心電図所見を示す非Q波心筋梗塞では,病態がたとえ重症でなく安定している患者であっても,より早期に冠状動脈造影を行い,冠状動脈病変の進展度を把握することが重要と考えられる.
  • Yutaka Nonoyama, Yasuo Yamanouchi, Keiji Kawamoto, Mitsuharu Sohkawa, ...
    1995 年 47 巻 1-2 号 p. 13-19
    発行日: 1995/06/20
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    To investigate effects of irradiation on brain monoaminergic neurons, we measured the contents and synthetic rate of noradrenaline (NA), dopamine (DA) and 5-hydroxytryptamine (5-HT) in the cerebral cortex, brain stem and hippocampus of the rat brain one and eight weeks after 60Co irradiation (1.5 and 10Gy) to the head. With 1.5 Gy-irradiation, the NA and DA contents in the brain stem only increas ed over one week. By week g, these contents had decreased in the cortex while the 5-HT content in the brain stem and hippocampus increased. Neither one nor eitht weeks after the dose, the others were unchanged. With 10Gy-irradiation, the DA content in the brain stem increased but that in the cortex and 5-HT content in all the three regions decreased on day 7, and the rest was unchanged. In week 8, the NA, DA and the 5-HT contents in all the three regions decreased. Since the monoamine contents were markedly affected with 10Gy-irradiation, we measured accumulation of dihydroxyphenylalanine (DOPA)and 5-hydroxytryptophan (5-HTP) after NSD-1015 administration, which represents syntheses of catecholamines and 5-HT, respectively. In all brain regions tested, irradiation had no effect on the accumulation in week 8. Accumulation of 5-HTP decreased after irradiation on both day 7 and week 8 in all the brain regions except for the cerebral cortex on day 7. These results suggest that cobalt irradiation impairs monoaminergic neuronal activities in the brain through the inhibition of monoamine synthesis.
  • 藤上 文隆
    1995 年 47 巻 1-2 号 p. 20-28
    発行日: 1995/06/20
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    強力な活性物質であるPlatelet-activatingfactor(PAF)をすみやかに代謝し不活性化する酵素Platelet-activating factoracetylhydrolase(PAF-AH)に対するエストロゲン,プロゲスチンの影響を調べた.
    1)成熟非妊娠ラットの血中PAF-AH活性は,17α-Ethynylestradiol投与にて約50%の減少が認められた.
    2)天然型のプレグナン系プロゲスチンであるProgesterone,17α-Hydroxyprogesterone投与では成熟非妊娠ラッXplasmaPAF-AH活性は変動しなかった.
    3)合成型のプレグナン系プロゲスチンであるMedroxyprogesterone,Megestrolacetate投与では成熟非妊娠ラットplasmaPAF-AH活性は有意に上昇した.
    4)エストラン系プロゲスチンであるNorethindrone acetate, Norethynodrel投与では成熟非妊娠ラットplasmaPAF-AH活性は有意に低下した.
    5)PAF投与実験より,成熟非妊娠ラットのPAFの致死量はほぼ20nmol/kgと思われる.
    6)17a-Ethynylestradiol,Norethindroneacetate前処理にてPAF-AH活性が低下したラットでは,PAF投与による死亡率が対照群と比較して増加した.
  • 河田 泰彦
    1995 年 47 巻 1-2 号 p. 29-38
    発行日: 1995/06/20
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    Invitroでありながら生体内の環境に近い状態で実験可能な器官培養を用いて卵巣性ホルモンの着床条件に及ぼす影響について検討した.ヒト子宮内膜を72時間,器官培養を行ない培養液にエストラジオール,プロゲステロンを添加し形態学的,生化学的に検討した.72時間まで子宮内膜を正常の状態で器官培養することができ,ホルモン添加実験ではエストラジオール,プロゲステロン両添加群において増殖期子宮内膜腺細胞の核下にミトコンドリアの集積を認め,排卵周辺期子宮内膜腺細胞においては核下空胞,すなわちグリコーゲンの集積を認めた.着床期では,いずれの群も退行変性を認めた.また組織内グリコーゲン濃度も両添加群で増加し,着床条件整備のためにはエストロゲンとプロゲステロンの存在と協調作用が必要と思われた.また培養液中プロラクチン濃度を定量し若干の文献的考察を加えた.
  • 北田 光美
    1995 年 47 巻 1-2 号 p. 39-54
    発行日: 1995/06/20
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    子宮内膜癌(体癌)は近年増加の傾向にあるが,子宮頚癌とくにその扁平上皮癌と異なり,その自然史がまだ解明されていない.そこで1983年から1993年までの11年間に関西医科大学産科学婦人科学教室で治療した120例の体癌を対象に,その臨床病理学的事項および治療成績を検討し,その問題点を考察した.
    1.当教室においても子宮癌における体癌の割合は増加しており,1983年の子宮癌の14.1%から1993年には27.7%を占めている.
    2.平均年齢は57.0歳で,臨床進行期1期の47.7歳に比して,II期以上は56.7-58.0歳と10年の差がみられた.
    30歳未満の若年例が3例あった.妊娠回数の少ない婦人に多く,閉経後が78例(65.0%)を占めた.3.主訴は,性器出血が94例(78.3%)であった.
    4.術前診断のための子宮内膜細胞診の正診率は69.2%,腫瘍マーカーの陽性率はCA125が42 .9%,CA19-9が47.3%であった.なお,子宮筋腫等良性疾患の診断にて開腹し術後に体癌の発見された症例が9例あった.
    5.治療に関しては子宮摘出を原則とし,広汎子宮全摘出術,準広汎子宮全摘出術および単純全摘出術を症例に応じて施行し,1986年からは,術中,もしくは術後 cisplatin(CDDP)を中心とする抗癌化学療法を併用し,5-FUによる維持療法を行った.
    6.1988年までの61例の5年生存率は1期84%,H期83%,皿期75%,IV期40%で,全症例の現在の生存者の割合は1期86.0%,R期87.0%,皿期90.0%,IV期30.8%で21例(17.5%)の再発死亡例があった.死亡例の再発部位40ヵ所の内容は局所(骨盤内)10例(25.0%),癌性腹膜炎9例(22.5%) ,遠隔転移21例(52.5%)であった.
    7.死亡症例の要因として,組織学的に低分化型(G3),リンパ節転移陽性例,子宮筋層内深達度2/3以上が密接に関与し,これらを総合すると組織学的分化度が最も重要な予後因子であった.
    8.再発部位では,低分化型では遠隔に,深達度の深い症例では腹腔内に多く見られ,大部分は3年以内に発見された.
    9.術後再発を防ぐためには放射線療法が主体であったが,1986年からはcisplatin(CDDP)を主とする抗癌化学療法を併用し,癌性腹膜炎には60%に有効であったが,局所再発ならびに遠隔転移例には効果が少なく,とくに低分化型(G3)には大部分無効であった.
    以上の研究結果から,体癌の予後を改善するためには,前癌病変からの自然史の解明とともに,現行の老入保健法による子宮癌検診に際して,体癌のスクリーニングの励行による早期発見の推進と手術の根治性向上をはかることが第一義的であるが,それとあわせて,適切な抗癌化学療法と維持療法の併用療法の改善による再発防止,免疫・ホルモン療法の開発など多元的な治療法の導入をはかり,とくに組織学的に低分化型(G3)に対する対策を検討している.
  • 竹口 武夫
    1995 年 47 巻 1-2 号 p. 55-71
    発行日: 1995/06/20
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    一般にひろく使用されているPapanicolaou染色細胞診標本について子宮頸癌(扁平上皮癌)のpopulationscreeningのための客観的判定基準を自動節別装置によって検討した.
    1.screeningのために必要な基本的所見として核径,核細胞質化,核濃度,核濃染領域の4項目について測定し,良性細胞群と核異型細胞および悪性細胞の異常細胞群とは明らかに判別可能な差がみられた.
    2.この4項目をパラメーターとして検体のscreeningを行ない,得られた所見を基に線型判別を検討したところ,個々の細胞については明瞭な識別が可能であった.
    3.一般に利用されている検体を用いてのfield testでは,異常例の正診率は良好であったが,正常例の誤陽性率が40%に達し細胞集塊,央雑物,白血球などが自動筋別装置による判定を困難にした.
    そのため検体を懸濁試料とし,その細胞濃度を250cells/0.01mlとし,ステンレスメッシュとnuclepore filter(12μ)の併用によるシリンジング法と節別を行なって塗沫標本を作製し,fieldtestを行なったところ,false negative rateを0とした場合,false positive rate34%の結果を得た.
    しかし血性検体の判別は困難であった.
    子宮癌に対する広汎な住民検診の実施により細胞診検体数は膨大となり,screeningを担当する細胞検査士の負担は大きい.しかし,その検体の大部分は正常例であるので本研究を試みた.
    以上の研究結果より基本的な4項目を利用した自動筋別装置により検体のほぼ半数は正しく正常とされ異常群については細胞検査士による検査を施行されることとなる.
  • Hiroyasu Okuno, Shintaro Fukushima, Toshiya Hirota, Masashi Takasu, Ya ...
    1995 年 47 巻 1-2 号 p. 72-75
    発行日: 1995/06/20
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    The in vitro effects of interferon (IFN) on drugmetabolizing activity in the human liver were investigated. The activities of 7-methoxycoumarin (7-MC) O-demethylase and 7-ethoxycoumarin (7-EC) Odeethylase in liver microsomes were measured in the absence and presence of IFN-α2a.
    The peak blood concentration reached during clinical IFN-α2a treatment has been reported to be 101to 103 IU/ml. At a high concentration (106 IU/ml), IFN-α2a inhibited the activities of both enzymes, to 75.6% and 72.4% of the control activity, respectively, but few effects were observed at concentrations of 101 to 105 IU/ml.
    These res ults indicate that the depression of drug metabolism during IFN treatment is not due to the direct inhibition of drugmetabolizing enzymes by IFN molecules, but that other factor(s) are needed for IFN to exhibit this action.
  • 小野 聡子, 吉田 宗弘, 中園 直樹, 原 一郎
    1995 年 47 巻 1-2 号 p. 76-82
    発行日: 1995/06/20
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    大都市のタクシー運転者の多くは,48時間を1周期とする隔日勤務体制であり,1日目(乗り日)の午前から2日目(明け日)の未明まで乗務している.大阪府下の会社所属の隔日勤務タクシー運転者287人(平均年齢48.1歳)について,乗り日と明け日48時間内の食事摂取時刻,睡眠時間,飲酒状況を調査した.食事摂取時刻のピークは,乗り日では6,12,20時代の3回出現したが明け日の午前中にはなく,昼(12時代)と夕(19時代)にのみ出現した.出庫時刻により対象者を5群に分類し比較すると,乗り日の3食は出庫時刻に対応して摂取時刻のずれを示したが,明け日の昼と夕の摂取時刻には差がなかった.48時間内の総睡眠時間は13.6時間であり,その37.5%を明け日の昼間睡眠が占めた.この昼間睡眠は食事によって中断または終了していた.明け日の飲酒者は全体の73.9%であった.明け日の飲酒回数1回のみの者よりも複数回の者が多く,3回以上の者が13.5%存在した.明け日の飲酒時間帯としてもっとも頻度が多いのは17時以降であり,0-11時代と12-16時代とでは前者のほうが多かった.隔日勤務タクシー運転者の食事摂取時刻は,乗り日では出庫時刻に対応した規則正しいパターンがあり,勤務終了直後から明け日午前中は一定のパターンがなく,明け日の午後においては睡眠を中断させて強制的に規則正しいパターンが構築されていると結論した.
  • Shigeo Kyutoku, Yu-Ray Chen
    1995 年 47 巻 1-2 号 p. 83-87
    発行日: 1995/06/20
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    To know the psychological effect of two-jaw surgery, we evaluated patients' reaction to the result of the surgery which were performed to them retrospectively with questionnaire by mail. Twenty-seven out of 44 (61.4%) patients, we operated between 1990 and 1991, responded to a questionnaire and most of them rated the result as satisfactory, but some shows mild disappointment especially in elder patient or big changed case. Two jaw surgery changing face significantly for adult patient is an important consideration.
  • 1995 年 47 巻 1-2 号 p. 110-115
    発行日: 1995/06/20
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 47 巻 1-2 号 p. 116-121
    発行日: 1995/06/20
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 47 巻 1-2 号 p. 122-123
    発行日: 1995/06/20
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 47 巻 1-2 号 p. 124-128
    発行日: 1995/06/20
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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