関西医科大学雑誌
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66 巻
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 田中 敏宏, 岡崎 和一, 上野 博夫
    2015 年 66 巻 p. 1-6
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/15
    ジャーナル フリー
    舌糸状乳頭における上皮維持機構や再生のメカニズムなど不明な点はまだ多い.舌上皮幹細胞の特異的なマーカーやその機能についてこれまでに報告は少なく,本研究では多色細胞系譜追跡により多くの情報が得られる事で幹細胞由来の細胞供給領域が明らかとなった.またその幹細胞が細胞供給を行う領域内に特異的な幹細胞としてBmi1陽性細胞を同定し,Bmi1陽性細胞の細胞系譜追跡を行う事で舌上皮における維持機構や傷害後の再生過程に重要な働きをもつ事を初めて明らかにした.
  • 小池 太郎, 山田 久夫
    2015 年 66 巻 p. 7-11
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/15
    ジャーナル フリー
    Sox2タンパク質はSoxB1ファミリーに属する転写因子である.中枢神経系において,その働きは初期発生の神経管や成獣脳における神経幹細胞でよく検索され,神経幹細胞の生存,増殖,分化を調節することが知られている.われわれは,成獣の末梢神経系におけるSox2タンパク質の存在およびその役割を解析したところ,Sox2タンパク質がサテライト細胞,無髄シュワン細胞および特定受容器を形成する終末シュワン細胞に局在することを突き止め,mRNAの存在も明らかにした.さらにサテライトグリアではSox2が細胞の生存に関与することをノックダウン実験により突き止めた.また,Sox2は脊髄神経節ニューロンの分化や髄鞘形成の調節にも関与するという報告もあることから,胎生期のみならず成獣になっても末梢神経系細胞にとって意味のある転写因子であると考えられる.本総説では,末梢神経系におけるSox2の分布と役割について述べる.
  • 片芝 雄一, 野村 昌作
    2015 年 66 巻 p. 13-17
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/15
    ジャーナル フリー
    ウィルス感染において生体内では各種の一重鎖および二重鎖核酸(dsDNA,ssRNAなど)が生じる.これらに対し,樹状細胞は自然免疫の中で各々異なる反応をして異なるサイトカインを産生する事によって免疫応答を惹起していると考えられる.また免疫監視機構の中枢に位置し抗原提示細胞として種々のエフェクター細胞を制御する樹状細胞は,様々な炎症性疾患の病態発症起点ならびにその進展に重要な役割を果たすことが判明してきており,自己DNAの放出をヒト樹状細胞亜群が,自身の発現するToll様受容体9によって検知し,I型インターフェロンの異常産生亢進が認められる.この現象が自己免疫疾患の病態発症とその進展に寄与しているとされている.このように,樹状細胞はこれら感染や自己免疫疾患における治療のターゲットになり得ると考えられるが,現在までのところ,ヒト樹状細胞と各種自己核酸(DNAとRNA)の反応メカニズムを一元的に比較検討した報告は存在しない.そこで細胞内レセプターのリガンドである核酸に種々の核酸導入試薬を添加し,ヒト樹状細胞亜群に対する影響を比較検討した.この検討はウィルス感染や自己免疫疾患の機序解明に重要と考えられる.そしてこの成果は今後,樹状細胞をターゲットとした難治性炎症性疾患の治療への発展が期待される.
  • 尾形 誠
    2015 年 66 巻 p. 19-24
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/15
    ジャーナル フリー
    ウイルス刺激により成熟したPlasmacytoid樹状細胞 (PDC) は,TLR7とTLR9を発現し,大量のI型IFNsを産生する.またnaive CD4陽性T細胞に対し,IL-10とIFN-γを産生するTr1細胞へ分化誘導し,自然免疫系において中心的な役割を担っている.一方IL-3の刺激にて成熟したPDCは,conventional Th2サイトカイン (IL-4, IL-5, IL-13, IL-10) 産生T細胞への分化誘導能を有する.このいずれの場合においてもPDCは,IL-10産生T細胞を誘導し得ることから,PDCにはT細胞のIL-10産生を惹起する特異的な分子機序が生来的に備わっていると示唆される.この点に関し,成熟したPDCは,ICOS-ligand (Inducible costimulatory ligand: ICOS-L)) を特異的に強発現し,Naive CD4+ T細胞をIL-10産生制御性T細胞に分化誘導することが判明している.PDCはICOS-L以外にも様々な因子を発現することが分かっているが,今回我々はPDCが産生する3つのサイトカイン,I型IFN, IL-6, TNFに着目し,ICOS-LによるIL-10産生T細胞誘導にこれらサイトカインがどのように関与するか検討した.方法としては,CpG-DNAまたはIL-3で刺激したPDC, あるいはICOS-Lを強制発現させたfibroblast L細胞 (ICOS-L Lcell) とNaive CD4+ T細胞を共培養し,1週間後のT細胞を解析した.実験結果から,PDCが産生する3つのサイトカインのうちI型IFNとIL-6は,ICOS-Lの持つIL-10産生T細胞誘導能を補助するように機能し,一方TNFは,自身のICOS-L発現を増強することによって間接的に作用すると考えられた.また,誘導された細胞は,FOX-P3を発現していないことも判明した.PDCは獲得免疫において,IL-10産生T細胞誘導に合理的なメカニズムを持ち,末梢トレランスに寄与していると考えられる.
  • 2015 年 66 巻 p. 25
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/08
    ジャーナル フリー
  • 2015 年 66 巻 p. 26-39
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/08
    ジャーナル フリー
  • 2015 年 66 巻 p. 41-195
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/08
    ジャーナル フリー
  • 2015 年 66 巻 p. 197-232
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/08
    ジャーナル フリー
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