世界最高水準の研究教育拠点の形成を目指す文部科学省の「21世紀COE(CenterofExcellence)プログラム」は,平成14年度から開始され,平成15年度には医学系分野を含めた5分野に関する募集が行われました.これは,21世紀の文明の進展が,知の創造活動に深く依存しており,また我が国の社会経済の活性化並びに国際競争力の強化のために,知的財産や知識資源の整備が不可欠なものであるとの観点から,人材の育成を含め,世界トップレベルの研究教育拠点の形成を助成するためのプログラムといえます.その意味で,本学のこれまでの研究成果並びに将来に向けた研究体制が,世界トップレベルに到達できる可能性があると評価されるか否かがかかっていましたので,ここに採択されたことにより,喜びとともに拠点形成並びに社会貢献への責務を強く感じている次第であります.本学からの申請にあたっては,平成14年6月にCOE対策準備委員会を設置いたしました.同委員会では,大学院教務部長の藤澤教授を委員長とし,研究体制整備の中で必要とされる新しい専攻系を設置するなど,大学院の改組やこれまでの硬究業績の把握将来構想も含め,種々検討を重ねたうえ,病理学第一講座の池原進教授を拠点リーダーとし,基礎・臨床系各領域から計19名の事業推進者で構成した「難病の革新的治療法の開発研究一骨髄内骨髄移植を用いた難病モデルでの検討一」と題した戦略的な拠点形成計画を申請いたしました.幸い,二次審査とも言えるヒアリングを受けるところまで残ることができましたので,ヒアリング当日の早朝を含め,委員会の先生方と数回のリハーサルを行いました.何しろ,学長と拠点リーダーの二人で25分以内に説明を終りなさいという指示でしたから,緊張しつつ,持ち時間内に必要な事項を明確に説明することに専念いたしました.終了後の審査委員からの質問やご意見から出席者一同,これはいけるかなと思った次第ですが,その後は,待つ身の辛さ,期待と不安を抱き続けることになりました先般,平成15年11月8日,ホテルニューオータニ大阪において,「21世紀COE採択記念講演会」(学長挨拶を後記)を同窓会,加多乃会を始め,多くの方々のご支援により開催することができました.そのなかで,本学のCOEプログラム研究拠点形成計画を広く公表することができましたが,その責務をさらに強く感じるとともに,単科大学である関西医科大学においては,学外関係者からの本研究計画に対するご理解とご支援ご協力が不可欠なものであると感じた次第であります.おわりに,COEプログラム研究拠点形成に係る事業を完遂させるため,学内関係者が一丸となって事業にあたるとともに,この事業を通して,関西医科大学の研究教育体制が,次盤代にも対応できるものとなるよう期待するものであります。
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