次世代の天然ガス資源として期待されるメタンハイドレートは,減圧法による海洋産出試験が計画されているが,商業生産にはコスト低減が必要とされている.これに対し,当研究所では増産技術として,CO
2と水から生成する固体のCO
2ハイドレートの生成熱で地層を加温する方法をこれまでに提案しているが,CO
2ハイドレートの生成で,地層の孔隙が閉塞しない注入技術が求められている.そこで,微細なCO
2液滴と水を混合することで,相変化しやすくしたエマルションを過冷却の豊浦砂に浸透させた実験で,移動する浸透先端で発熱し,孔隙の数10%にCO
2ハイドレートが生成することで相平衡温度に近づき,残った孔隙を浸透していると考察されるデータが得られた.以上より,CO
2が,地層の加温に利用できる可能性が高いと思われるので結果を報告する.
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