細分割曲面とは任意位相の多面体を再帰的に細分割して得られる曲面のことであり, コンピュータ支援による形状設計の主要な曲面表現の一つになっている.細分割曲面は曲面の形状を微小な面の集合として表現しており, 表示する際には, 要求精度に応じた回数だけ細分割処理を行なった後, 微小になった面を1枚ずつ表示させる.したがって細分割処理の回数が多いほど滑らかな形状になるが, 面の数が急激に増すために, 表示に要する時間が増すことになる.本研究では, 指定された誤差の範囲内で形状を保ったまま面数を削減し, 表示の品質を落さずに表示速度を向上させることを目的とする.このために, 本研究では, Doo-Sabinの細分割曲面を対象として, 指定された誤差の中で形状を保ちながら, 不必要な分割を抑制し, 細分割処理による面数の増加を軽減させる手法を提案する.本研究の成果は以下のようである.本提案手法により, 要求された精度内で形状を保ったままで, 面数が少ない細分割曲面を生成することができた.本提案手法は, より平面に近い領域が多いほど効果があり, より分割回数が多くて面が小さく滑らかな形状ほど効果があることがわかった.
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