図学研究
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54 巻, 1 号
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研究論文
  • ─動作による人体の変形に対応するデザイン─
    山村 美紀, 石垣 理子, 猪又 美栄子
    2020 年 54 巻 1 号 p. 3-
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/01
    ジャーナル オープンアクセス
     「窮屈に見えるけれど日常動作が可能な服」をコンセプトとして,外観の斬新さを優先したシャツの設計を試み,動作による上半身の寸法・形態の変化に対応できる衣服の構造について検討した.体幹に対して身頃が捩れて皺が生じるデザインで,胸囲のゆとり量は少なく,袖幅は上腕に十分なゆとりを加えた.着用すると前後中心線が15度傾く構造である.
     着用実験の要因は胸囲のゆとり量で3水準(2・4・7cm)設定した.着用者は女子大学生10名である.官能評価(着心地,動きやすさ,外観)および腕付け根周辺の衣服圧の測定を行い,分散分析等の解析をした.
     その結果,着用時の捩れによる皺は「見かけのきつさ」を強調しているが,上肢動作によって皺が開いて体表の変化に追従した.袖幅の十分なゆとりが動作による袖と上肢のずれを可能にした.3着の実験服は上肢動作,日常動作が可能であった.また,人体の動きにより変化する外観の評価も高かった.
  • 丸谷 和史, 大谷 智子
    2020 年 54 巻 1 号 p. 13-
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/01
    ジャーナル オープンアクセス
     本研究では,階段状の立体表面に投影された直柱群の影を斜めから観察すると,著名な幾何学的錯視であるカフェウォール錯視様の網膜像が生じ,網膜上でのパースペクティブによる歪みを打ち消す方向に,錯視が生じることを示す.このことは,カフェウォール錯視が,他の幾何学的錯視と同様に,二次元の網膜像から適切な三次元状況の解釈を導く脳内プロセスの誤作用と解釈できることを示す.さらに,これらの事実と,三次元光景をモデリングした二次元コンピュータグラフィックスの観察に基づいて,階段状の立体表面に様々な物体が影を落としている三次元光景のモデリングによってカフェウォール錯視のバリエーションを作成できることを示した.
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