図学研究
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43 巻, 4 号
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研究論文
  • ――バルダッサーレ・ペルッツィの「喜劇のための舞台画の習作」における作図法――
    奈尾 信英
    2009 年 43 巻 4 号 p. 3-11
    発行日: 2009年
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル フリー
    本研究では,バルダッサーレ・ペルッツィが描いた「喜劇のための舞台画の習作」(1515年頃)に着目し,ルネサンス期イタリアにおける透視図法の簡便化の一様相を明らかにする.この「喜劇のための舞台画の習作」は,現在,トリノの王宮図書館によって所蔵されていて,3層構成をもつ建物のファサードが遠近感を有するように描かれ,都市景観の一部分が表現されているものである.考察手順は以下の通りである.(1)この図の消点の位置を求める.(2)消点と水平線の位置,建物と街路との境界線,そして,ファサードと軒との境界線をもとに,作図線を明らかにする.(3)これらを総合して鑑み,作図法を想定する.そして,以下のような結果が導かれた.「喜劇のための舞台画の習作」においてペルッツィが用いた作図法は,2次元画面上に基準となるグリッド線を設定することによって,遠近感を表現するものであったと結論づけられる.
  • 米山 孝史, 源田 悦夫, 近藤 邦雄
    2009 年 43 巻 4 号 p. 13-21
    発行日: 2009年
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル フリー
    本論文では,近代以降の西洋絵画を中心とした絵画の視覚的特徴に着目した分析,およびそれに基づいた視覚対象モデルのパラメータ変換による絵画風画像生成手法について示す.近代以降に登場した印象派やキュビスム,抽象絵画などといった絵画スタイルは描画対象の色彩的な特徴や形態的な特徴などの表現に大きく重点が置かれている.このような特定の特徴に着目して強調したり,逆に故意に欠損させたりする近代絵画の表現は,脳内における視覚情報処理過程と密接な関係を見出すことができる.そこで本研究では,視覚情報処理過程として考えられている形態視・空間視・色彩視の視覚情報処理モジュールをパラメータとして導入し,絵画の視覚的特徴分析を行う.さらにこの分析により分類した視覚特徴の表現をもつ絵画風画像を描画する手法,および3次元モデルを用いた視覚パラメータによる絵画風画像生成システムを提案する.
  • 遠藤 潤一, 茂登山 清文, 中村 純
    2009 年 43 巻 4 号 p. 23-30
    発行日: 2009年
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル フリー
    近年,大型の液晶ディスプレイなどを用いて電子的に情報を提供するシステムが普及してきている.こうした情報提供システムは,デジタルサイネージと呼ばれており,近年急速に普及が進んでいる.広告としての利用に加え,公共施設や教育機関,病院などでは情報提供の新しい手段として広まりつつある.しかし,その画面デザインは十分に評価がなされないままに設置される場合が多い. 本研究では,情報提供を行うデジタルサイネージのデザイン・パターンを提示し,画面デザインの適切さについて心理的な距離を測定した.また,それをもとに視線移動情報を測定して,デジタルサイネージを参照する場合の視線移動や注視点の特徴を抽出した.
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