図学研究
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56 巻, 1 号
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研究論文
  • 片桐 悠自
    2022 年 56 巻 1 号 p. 3-11
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/04/01
    ジャーナル フリー
     本研究は,建築家アルド・ロッシの手記における内的な設計プロセスの醸成としての設計論的発展について分析を行う.たとえばロッシは,「モデナ墓地」を設計する際に「〇△□」の図式を禅画から抽出し,建築意匠設計の形式の変化に伴う「シェマ」の変化を彼の手記『青のノート』に記していた.1972年に設計された「ファニャーノ・オローナの小学校」へと至る過程は手記でシェマの発展が段階的に記され,最初に『青のノート』11巻で初期案として現れる.この初期のスタディでは「モデナ墓地」から発展させられ,円形を頂点に置いた3本の十字をおいた配列が変容し,軸線を残して中庭が作られ,「宮殿形式」の配置が示される.その後,1972年5月-7月にかけて,ロッシが基本設計の決定案における設計シェマを確立し,初期案と決定案に「十字のシェマ」を,平面図式を変更させながらも,一貫して建築設計に適用したことが示された.
  • 杉原 厚吉
    2022 年 56 巻 1 号 p. 13-23
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/04/01
    ジャーナル フリー
     不可能図形の代表例の一つである無限ループ階段を取り上げ,2次元図形としてそれが描けるための条件を明らかにするとともに,人が実際に乗って歩くことのできる3次元構造物として作る方法を提案する.不可能図形を立体化するトリックでもっともよく知られているのは,奥行き方向に不連続な構造を設けるものであるが,その方法で作った構造物は無限に歩き続けることはできない.本論文で提案する手法では,絵の中でつながって見えるところはつながったまま立体化するもので,その上を歩き続けることができる.これは,見るだけでなく参加して楽しめる大型の錯視遊具を作るための一つの方法論を提供するものでもある.
教育資料
  • 平野 重雄, 喜瀬 晋, 関口 相三, 奥坂 一也, 荒木 勉
    2022 年 56 巻 1 号 p. 25-29
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/04/01
    ジャーナル フリー
     改正規格のJIS B 0401-1,2:2016製品の幾何特性仕様(GPS)─長さに関わるサイズ公差のISOコード方式─第1部:サイズ公差,サイズ差及びはめあいの基礎.第2 部:穴及び軸の許容差並びに基本サイズ公差クラスの表,新規制定規格のJIS B 0420-1:2016製品の幾何特性仕様(GPS)─寸法の公差表示方式─第1部:長さに関わるサイズの技術的内容は,両規格とも旧規格と同じであるが,文章が難解であるうえ,多くの用語が変更になり,特に教育界で混乱している現状がある.
     本報は,両規格が他の個別規格に及ぼす影響に関して実例を挙げて検討するとともに,その不備と真っ当な用語への回帰を主目的として考察した.
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