図学研究
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55 巻, 2 号
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研究論文
  • 高橋 信雄, 浦田 真由, 遠藤 守, 安田 孝美
    2021 年 55 巻 2 号 p. 3-
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/09/01
    ジャーナル オープンアクセス
     CG画像と実写画像をひとつの画像に合成すると,両画像の階調特性の違いから,領域間に視覚的な不整合を生じる.そのため,一般にCG制作の現場では実写の撮影時に,18パーセントグレーカード等のリファレンスを撮影し,その画素値を基準にCG画像の輝度を調整する.しかしこの手法は,両画像が持つビット深度の限られた階調でしか画素値の一致が保証されないため,合成画像から視覚的な不整合を充分に取り除くことはできない.
     本研究では,露光量の異なる複数の実写画像から復元したカメラ応答関数をCG画像の階調変換に応用する手法を提案する.これにより,両画像はビット深度の全域で値が近似し,階調特性の差異に起因する視覚的な不整合を充分に取り除くことが可能となる.
  • ─アルド・ロッシの「ムッジオの市庁舎」(1971-72)の設計プロセス─
    片桐 悠自
    2021 年 55 巻 2 号 p. 13-20
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/09/01
    ジャーナル オープンアクセス
     本研究は,建築家アルド・ロッシの設計思想における画家ジョルジョ・デ・キリコの影響を追う.まず,ロッシの手記『青のノート』を通じ,1968-71年までのデ・キリコへの言及を抽出し,円錐台の〈塔〉に付随するモチーフを導出する.ここから,1972年1月25日の「ムッジオの市庁舎」(1971-72)のエスキース図を分析し,広場に計画されたデ・キリコの彫刻《考古学者たち》の引用の意図を論じる.「ムッジオの市庁舎」の円錐台は,同年の「ファニャーノ・オローナの小学校」のクーポラとの関連が見受けられる.つまり,ロッシがデ・キリコの絵画から学んだ円錐台の〈塔〉のイメージは,パースペクティブ上の遠景をなす“見られる塔”でありながら,“見る塔(望楼)”として,建築作品へと応用されたといえる.
教育資料
  • ─解説記事の論理不足と規定の誤りを正すのは誰か─
    平野 重雄, 喜瀬 晋, 関口 相三, 奥坂 一也, 荒木 勉
    2021 年 55 巻 2 号 p. 21-
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/09/01
    ジャーナル オープンアクセス
     JIS B 0001:機械製図は,利便性に優れかつ有用性の高い規格である.2019年に7回目の改正が行われたが.改正規格には,製図則の不適格な使い方が散見される.特に教育界への影響は,見過ごすことはできない.このままでは,授業で間違ったことを教えることになる.本報は,解説記事の論理不足と規定の誤りを正すのは誰か,そして,改正機械製図の誤りの根幹はどこに存在するのかについて述べる.また,今後に実施する調査研究の概略について記述する.
作品紹介
図学ノート
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