建築家・坂本鹿名夫は,1950年代の後半に日本全国に数多くの円形建築を設計したことで知られている.
本稿では,坂本の円形建築に関する既往の研究を整理するとともに,坂本の著作『円形建築』巻末に掲載された代表的な建築作品の建築概要一覧から概算直径を算出し,これと用途,設計完了年,階数などとを比較することで,坂本が大成しようとした円形建築の型を見出すことを試みた.
その結果,実験段階であった当初は直径25mが主流,最盛期には直径26-27m,設計棟数の減少する熟練期には直径27-28mがそれぞれ主流であったことが明らかとなった.
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