図学研究
Online ISSN : 1884-6106
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44 巻, 2 号
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研究論文
  • 福江 良純
    2010 年44 巻2 号 p. 3-10
    発行日: 2010年
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル フリー
    立体物に対する所感の一つに,立体感(sense of solidity)がある.これは,存在感や遠近感などと同様に,対象に対する一般的な感覚であり,芸術のみに適用される概念ではない.しかしながら,それは知覚された物体の体積からは区別されており,そのことは,彫刻を物理的な意味での立体ではなく,芸術として評価する上での要因となっていると考えられる.絵画の空間性は,遠近法による技術的な説明が可能である.同様に,彫刻の立体感にも一定の技術的仕組みが想定できるのではないだろうか.彫刻の制作技術を検証すると,制作時に材料へ加えられる外力が,作品の表現上の重要な要因となっていることが分かる.材料に加えられた作用は,材料の物性を顕にすることで,彫刻に形状以外の内容を盛り込む.立体感とは,そこに感知される物体の特別な印象と思われるのである.
研究速報
  • ~参加型作品インタフェースへの一考察~
    西澤 渚, 辻合 秀一
    2010 年44 巻2 号 p. 11-14
    発行日: 2010年
    公開日: 2017/08/01
    ジャーナル フリー
    本作品は,光センサー,LED,Gainer を使用する.鑑賞者がトイレットペーパーを引き出すと,トイレットホルダーの上にFlash アニメーションが流れるという参加型作品である.LED から発せられる明暗の差をGainer に繋がった光センサーが読み取り,Flash にデータを送る.Flash アニメーションはプロジェクタを通してトイレットホルダーに投影されるという構成になっている.そして本作品は,鑑賞者の動作を迷いなく導くためにインタフェースの選定に重点を置いている.日常の簡単な動作を取り入れたいため,日常で紙を引き出しているトイレットペーパーをインタフェースとして選定した.鑑賞者がトイレットペーパーを引き出すだけで作品からのレスポンスがあるため,人間とコンピュータが自然と接することができる作品に仕上げた.鑑賞者とインタフェースをスムーズに繋ぐことを考察した.
作品紹介
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