第1腰髄レベルの不全対麻痺者に対して内側股継手付長下肢装具 (Primewalk) を用いて歩行訓練を行った. 歩行レベルに合わせて装具を変更し, 歩行能力のスムーズな改善を得た. まず, 左長下肢装具の外側支柱を外し, 内側支柱の膝部をオフセットジョイントとした. さらに歩行能力が増した時点で, 股継手を外して右長下肢装具, 左短下肢装具とした. 歩行時の酸素消費量には股継手の有無で有意差を認めなかった. 股継手を外すことには, 歩幅の制限が解消されるために歩行速度が向上するという利点と, 上肢への過負荷をもたらすため結果的に連続歩行距離が短くなるという欠点が併存していた.
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