日本義肢装具学会誌
Online ISSN : 1884-0566
Print ISSN : 0910-4720
ISSN-L : 0910-4720
27 巻, 3 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
巻頭言
特集 糖尿病足病変のフットケア
短報
  • 青木 隆明, 山岸 宏江, 清水 克時, 篠田 信之, 浜田 篤至, 林 典雄, 早川 大輔
    2011 年27 巻3 号 p. 171-173
    発行日: 2011/07/01
    公開日: 2013/10/15
    ジャーナル フリー
    短下肢装具は開発も進み,様々なものがあり用途に応じて選択できる幅も広がっている.容易に角度を変えたり,シンプルな形で十分な支持性をもつものもある.一般的に短下肢装具の下腿半月の高さは製作の際,腓骨神経を避け腓骨頭から 2横指下の高さにするとされている.そこでこの高さについて,最も解剖学的にも神経に対して影響がなく,また圧力についても最も低く安定している高さを,献体解剖遺体での腓骨神経の位置を確認し,さらに 3つのベルト部分にかかる圧力を計測することで,短下肢装具の下腿半月の高さを検討し,平均的な 2横指よりやや遠位が安全で,足底から腓骨頭頂部までの約 66%においてベルト部分に最も圧力が低下することがわかった.
  • 妹尾 勝利, 小林 隆司, 石原 健, 今川 裕輔
    2011 年27 巻3 号 p. 174-177
    発行日: 2011/07/01
    公開日: 2013/10/15
    ジャーナル フリー
    本論の目的は,上腕カフの材料であるアクリル樹脂硬度と形状の違いによる上腕カフ内圧を測定し,肘システム義手の懸垂に適する上腕カフのアクリル樹脂硬度と形状を決定すること,そして前腕切断者に肘システム義手を作製し,上腕カフとソケットによる懸垂および考案したケーブルの長さ調整機構の操作性を検証することであった.その結果,上腕カフのアクリル樹脂硬度は軟性材料を 60%,硬性材料を 40%とし,形状は顆上部を絞り込んだものとした.前腕切断者に作製した肘システム義手の懸垂は,上腕カフのみでは困難であったため,ソケットを自己懸垂式とした.考案したケーブルの長さ調整機構は非切断側のみでの操作を可能としたが,実用性向上には更なる改良が必要であった.
  • 吉野 智佳子, 木之瀬 隆, 引地 雄一
    2011 年27 巻3 号 p. 178-180
    発行日: 2011/07/01
    公開日: 2013/10/15
    ジャーナル フリー
    実習用前腕能動仮義手の開発と併せて実習書を作成し,作業療法学科学生に対して製作と適合判定,実際の義手操作体験を行い,考察した.各実習グループ人数はモデルや製作者など役割分担し 3~5人が適度な範囲であった.実習により義手のチェックアウトに関する知識や装着者への理解が深まったことが窺われた.今回の実習用仮義手製作による体験は卒前教育として有用であり,OSCE(客観的臨床能力試験)として位置づけられる可能性が考えられた.また,製作者側の学生がモデル(患者役)に対する配慮の必要性についても意識されていたことが窺われた.今後,卒前教育の充実と併せて,臨床現場における卒後教育の整備についても検討する必要があると考えられる.
症例報告
  • 岡西 尚人, 田中 夏樹, 早川 智広, 稲葉 将史, 加藤 哲弘
    2011 年27 巻3 号 p. 181-183
    発行日: 2011/07/01
    公開日: 2013/10/15
    ジャーナル フリー
    足関節脱臼骨折後に歩行時の足関節痛が残存した症例に対し,TS ストラップ((株)啓愛義肢装具材料販売所)の装着と長母趾屈筋のストレッチングを行い良好な結果を得たので,本症例の病態と TS ストラップの機能について報告する.前方引き出しテストが陽性で前方支持組織の機能不全と,後方支持組織の拘縮による長母趾屈筋の伸張痛が混在していた.TS ストラップは,足関節底屈位で装着し背屈可動域の増大に伴い前方から踵へ巻き付けたベルトに牽引力が発生し,足関節背屈時の生理的な距骨の後方移動を誘導することで,歩行時の足関節運動が円滑となる.TS ストラップは足関節前方不安定性に対してよく適応すると思われた.
講座 今知っておくべき研究における倫理
feedback
Top