日本義肢装具学会誌
Online ISSN : 1884-0566
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27 巻, 2 号
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巻頭言
特集 夢のある話
原著
  • 上間 智博, 松元 秀次, 種田 沙織, 竹下 可奈子, 川平 和美
    2011 年 27 巻 2 号 p. 105-111
    発行日: 2011/04/01
    公開日: 2013/09/15
    ジャーナル フリー
    脳卒中片麻痺患者の歩行は非対称性を特徴としているにもかかわらず,歩行指導は対称性歩行を目指して麻痺側へ荷重を促す方法が一般的である.本研究は,片麻痺患者の歩行について,麻痺側下肢への荷重をコントロールした 3 種の歩行パターンで歩行効率の検証を行った.対象は脳卒中片麻痺患者 16 名で,短下肢装具とT字杖を使用し,少なくとも監視レベルで歩行可能な症例とした.評価は 10 m 歩行における速度とケイデンス,ビデオ画像の動作解析による歩行立脚期の側方変位距離,歩行パターンによる歩行周期の変化(健側と麻痺側の立脚期割合,単脚支持期割合,1 歩時間,歩幅の患側/健側比,重複歩時間)を行った.3 種の歩行パターンのうち非対称性歩行(健側優位歩行)に比べ,対称性歩行(麻痺側歩行)が歩行速度,歩行立脚期の側方変位距離,歩行周期の変化で歩行効率低下を示した.以上のことから,過度に麻痺側へ健側と同様に荷重することは重心移動を妨げ,歩行速度や歩行効率低下につながると推察される.
  • —平地歩行における体幹筋活動の計測—
    勝平 純司, 吉川 幸次郎, 安井 匡, 堀内 和禎, 長谷川 哲也, 笠井 将也, 田所 祐介, 山本 澄子
    2011 年 27 巻 2 号 p. 112-119
    発行日: 2011/04/01
    公開日: 2013/09/15
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は装具の継手が持つ抗力によって胸部を押す力を与えて腹筋の活動を高めることのできる抗力を有した継手付き体幹装具(Trunk Brace 以下 TB)を開発し,歩行時における脊柱起立筋と腹直筋の筋活動を計測することでその装着の効果を客観的に示すことである.健常成人男性 9 名を対象として装具なし,TB 装着,ジュエット式装具装着の 3 条件で歩行の時間距離因子の測定および筋電計を用いて腹直筋と脊柱起立筋の筋活動の計測を行った.結果として,歩行の時間距離因子に条件による違いはみられなかったが,TB 装着時には腹直筋の活動が高まる一方で脊柱起立筋の活動が低下することが明らかとなった.本研究において開発した TB が胸部を押す抗力により腰部にかかる力の方向を変えることで体幹筋の活動様式を変化させることが明らかとなった.
技術報告
  • —ハーネスを使用しなかった症例—
    福井 信佳, 村田 郁子, 橋本 寛, 黒石 義明, 平林 伸治
    2011 年 27 巻 2 号 p. 120-122
    発行日: 2011/04/01
    公開日: 2013/09/15
    ジャーナル フリー
    筆者らは能動義手を使用していた左肘離断者に対して,症例の希望によりハーネスを使用しない筋電義手を作製したので報告する.症例は40歳代前半の男性で右利きである.電動ハンドの筋電位信号を採取する筋は上腕二頭筋と上腕三頭筋である.ハーネスを取り除くためソケットは差し込み機能適合式ソケットとし,さらに残存している上腕骨内側上顆および上腕骨外側上顆に懸垂力を高める工夫を行った.肘のロック操作は非切断肢で他動的に行った.その結果,ハーネスを使用せずに筋電義手の操作が可能となり復職した.肘離断の場合でもハーネスを取り除き,筋電義手を適用することが可能であると考えられた.
講座 今知っておくべき研究における倫理
印象記
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