内反型変形性膝関節症患者45例を対象に4週間の装具療法を行った. 誕生日が奇数の者には距骨下関節固定付き足底板を装着させ新型足底板群(
n=23)とし, 偶数日の者には足底板を用いず足関節捻挫用サポーターのみを装着しプラセボ群(
n=22)とした. 立位単純X線像を用いて大腿脛骨角を装具装着時と非装着時に計測した. 治療前後での Lequesne 重症度指数の改善点数を両群間で比較した. その結果, 大腿脛骨角はプラセボ群 (-0.2±0.8°) に比べて新型足底板群 (-2.4±1.6°) で有意に外反した (
p<0.0001). 重症度指数もプラセボ群 (-3.7±4.6点) に比べて新型足底板群(-1±3.7点) で有意に改善した (
p=0.033). 以上の結果から, 新型足底板におけるベルト型サポーターによる固定は足底板による踵骨の外反矯正を脛骨や大腿骨に伝導する作用を担っているが, それ自体には治療効果は少ないことがわかった. 新型足底板による治療効果には, 大腿脛骨角の矯正が関与していると結論した.
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