日本義肢装具学会誌
Online ISSN : 1884-0566
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ISSN-L : 0910-4720
27 巻, 4 号
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巻頭言
特集 材料・部品を理解する
原著
  • 長谷川 昌士, 山本 澄子, 川端 正嗣, 有馬 恵子
    2011 年27 巻4 号 p. 221-227
    発行日: 2011/10/01
    公開日: 2013/11/15
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は脳卒中片麻痺者に対し,一般的によく使われている移乗用ベッド手すりを使用しての移乗動作の問題点の検討をおこない,転倒につながりやすい諸動作を明確にすることである.方法は3次元動作解析装置を使用して,比較的,転倒率の高い麻痺側肢まわりの移乗動作の計測をおこなった.移乗動作を立ち上がり,回転,座り込みに相別化して分析した結果,立ち上がり時と座り込み時では手すりを後下方に強く引っ張りながら,その反作用として足部で前方に強くつっぱっていた.回転時では左右合成圧力中心点の移動軌跡長が増加しやすく,とくに麻痺側下肢の運動機能が低下している片麻痺者ほど移動変化の動揺が大きかった.今回,一般的によく使われている手すりは転倒につながりやすい諸動作がいくつか推察されたことから,片麻痺者の動作の安全性を十分に配慮できているとは言いがたかった.
  • 手塚 勇輔, 原 良昭, 陳 隆明
    2011 年27 巻4 号 p. 228-231
    発行日: 2011/10/01
    公開日: 2013/11/15
    ジャーナル フリー
    大腿義足歩行時のターミナルインパクトは臨床上よくみられる異常歩行の1つであり,その程度は主観的に評価されている.そこで,本研究では片側大腿切断者1名を対象として,加速度信号から遊脚後期の膝継手の完全伸展から初期接地までの時間(_m474/時間)および歩行周期に占めるτ時間の割合(_m474/割合)を算出した.また,経時的変化から_m474/時間や_m474/割合が義足歩行の習熟度の評価指標として客観的となりうるかを検討した.その結果,歩行訓練により_m474/時間および_m474/割合は有意に減少し,減少傾向を示した.これにより,義足歩行の評価には,歩行速度や歩幅といった指標に加え,遊脚後期の動態も客観的評価指標として示すことができ,臨床において新たな有用な指標となりうることが示唆された.
  • 春名 弘一, 杉原 俊一, 昆 恵介, 早川 康之, 野坂 利也
    2011 年27 巻4 号 p. 232-
    発行日: 2011/10/01
    公開日: 2013/11/15
    ジャーナル フリー
    Gait Solution により歩行中の「荷重の受け継ぎ」の機能を補助した際の非麻痺側運動制御変化(1歩行周期の時間因子・同時収縮指標)の過程を縦断的に検討することを目的とした.対象は,維持期片麻痺者3名とし,実験方法にはシングルケースデザインの AB 法を採用した.結果は,2名が非麻痺側両脚支持期2の時期で同時収縮指標が減少した.また,その変化の過程には個人差があり,Gait Solution への適応に時間がかかる症例が存在した.本研究の結果は,片麻痺歩行の麻痺側の機能的役割を補うことで,相対する非麻痺側運動制御が変化することを示唆し,十分な変化を期待するには一定期間の使用経験が必要と考えられた.
短報
  • 平山 史朗, 島袋 公史, 渡邉 英夫, 宮本 忠司
    2011 年27 巻4 号 p. 240-243
    発行日: 2011/10/01
    公開日: 2013/11/15
    ジャーナル フリー
    脊椎圧迫骨折においては,受傷後,早期に体幹装具を装着して在宅復帰する傾向にあるため,生活関連動作の実施も必要になることがある.そこで,数種類の体幹装具を1被験者に製作し,掃除,洗濯,炊事を装具装着下にて実際に行い,自・他覚所見について比較検討した.自覚所見は独自の評価尺度を用い,他覚所見は各動作前後の脈圧,平均血圧および二重積を求め比較検討した.自覚所見ではクロスバンド式が最も不自由さが大きく,軟性LSOが最も不自由さが少なかった.他覚所見では軟性LSOが唯一,炊事と掃除の双方の二重積で有意差を認めた.要因としては制動力の低さが考えられた.不自由さが少ないぶん,労作時に相乗的に腹圧を上昇させ,心負荷を高めることが示唆された.動脈硬化が進行している高齢者では,装具装着による循環器系ストレスに対する配慮も講じる必要性があると思われた.
  • 山本 澄子
    2011 年27 巻4 号 p. 244
    発行日: 2011/10/01
    公開日: 2013/11/15
    ジャーナル フリー
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