ポリオ後遺症重度反張膝における疼痛, 歩行障害に対し装具療法を行った. 症例は, 51歳の女性. 1歳3カ月のときにポリオに罹患し, 右下肢の弛緩性完全麻痺が出現. その後, 右膝ロッキング歩行を長年続け徐々に反張膝となり疼痛出現, 歩行困難となる. このため, 疼痛軽減, 歩行能力改善のため反張膝防止装具を作製した. 装具は, 患者のニーズおよび実用性を考え, 半月の位置, 支柱の構造, 膝継手の構造, 膝後方パットの構造, 足部の構造に工夫を加え作製した. ポリオ後遺症における重度の反張膝は, その適合性が難しい. しかしながら, 今回の装具は患者側の満足度も高く, 実用的なものであった.
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