日本義肢装具学会誌
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26 巻, 4 号
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巻頭言
特集 ICT(情報通信技術)を使った福祉用具の現状
原著
  • —体験用前腕能動義手における筋電図分析と酸素摂取量の検討—
    妹尾 勝利, 小林 隆司, 石原 健, 今川 裕輔
    2010 年 26 巻 4 号 p. 252-259
    発行日: 2010/10/01
    公開日: 2013/07/15
    ジャーナル フリー
    本論の目的は,従来の前腕能動義手制御システム(肩システム)と肘関節運動を力源とした前腕能動義手制御システム(肘システム)による体験用前腕能動義手の作製およびこれらを用いた立方体移動時の筋電図と酸素摂取量の結果から肘システムの利点と今後の課題を考察することであった.%MVCはtriceps brachiiではシステム間で有意差はなく,deltoid (anterior) では,肘システムが有意に低かった(p<0.05).また,立方体1回の移動に要した酸素摂取量は,肘システムが有意に低かった(p<0.05).これらの要因として,肘システムではハーネスがないことで肩関節による手先具の方向付けが容易であること,肩システムよりは少ない筋力で手先具操作が可能となることが挙げられた.今後の課題は,義手の懸垂機構等のハード面と実際の日常生活場面における実用度の検討を行うことである.
短報
  • 平山 史朗, 宮本 忠司, 渡邉 英夫
    2010 年 26 巻 4 号 p. 260-263
    発行日: 2010/10/01
    公開日: 2013/07/15
    ジャーナル フリー
    脊椎圧迫骨折の治療は保存療法が主体をなし,前屈運動を制御する目的で体幹を外固定する.今回,本骨折に用いられる 5 種類の体幹装具と可撓性プラスチックキャストで製作する即席体幹装具を 1 被験者に製作し,装着下での体幹の可動域より制動力を調査し,さらに装着の仕方による制動効果の変動についても検討した.6 種類の装具は体幹の可動域において,いずれも屈曲への制動効果が比較的に高かった.その中で軟性 LSO の屈曲への制御力が最も低く,本骨折への使用には慎重になる必要があると思われた.また,装具の不適切な装着は制動効果を低下させた.装具の制動力は装着の仕方により影響を受けるため,装着方法や ADL 指導が重要になると思われた.
症例報告
  • 近藤 潤侍, 陳 隆明, 大蔵 史景, 渡辺 学, 大沼 雅之, 小西 克浩
    2010 年 26 巻 4 号 p. 264-267
    発行日: 2010/10/01
    公開日: 2013/07/15
    ジャーナル フリー
    耐水性のある小児義足は,成人に比べ症例が少なく,義足の工夫にて対応しているのが現状である.また,義肢装具の支給は,身体に装着して日常または就学に用いるものとされている.しかし,下肢切断児に限らず,小児は学校の授業に水遊びや水泳があるが,耐水性のある小児の義足は認知されていない.今回,両親からの依頼により耐水性のある小児義足を製作した2症例を報告し,耐水性のある小児義足の必要性を述べる.
  • —術前後の理学療法を工夫して—
    東 善一, 久保 秀一, 新井 祐志, 平本 真知子, 棟近 麻衣, 松井 知之, 池田 巧, 長谷 斉
    2010 年 26 巻 4 号 p. 268-271
    発行日: 2010/10/01
    公開日: 2013/07/15
    ジャーナル フリー
    上腕切断および大腿切断後の反対側に生じた変形性膝関節症(膝 OA)に対して人工膝関節全置換術(total knee arthroplasty : TKA)を施行した報告は少なく,理学療法の内容や術後経過については明らかにされていない.今回,われわれは,左上腕切断と左大腿切断後の反対側の膝 OA に対する TKA 術前後の理学療法で,左上下肢の断端を最大限利用し,TKA 側の膝関節に過度な負荷を与えないように配慮することで,術後 4 週間で歩行能力の獲得ができた.術前後の理学療法を工夫すれば,大腿切断後の反対側に TKA を施行した症例でも術後早期の ADL 改善は可能である.
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