ウイルス
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52 巻, 1 号
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  • 武田 直和
    2002 年52 巻1 号 p. 1-5
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 中田 修二
    2002 年52 巻1 号 p. 7-13
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 倉根 一郎
    2002 年52 巻1 号 p. 15-20
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 50年近くもわが国で発生のない狂犬病の再上陸はあるのか
    万年 和明
    2002 年52 巻1 号 p. 21-25
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    いったん発症するとほぼ100%死亡する狂犬病はウイルス性の人獣共通感染症であり, 全ての温血動物が感受性を持っている. 人類文明の創生期からすでにその怖ろしさが記録に残っているこの疾病は, 野犬や野生動物が感染環を維持していて, 健康な人や動物が偶発的に発症前後の動物と接触することで感染がおこるが, 幸いにも日本では50年近くも発生が見られない. ここでは, 狂犬病ウイルスについて概略を説明する.
  • 竹内 薫
    2002 年52 巻1 号 p. 27-31
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 分子レベルで見たウイルスと宿主の攻めと守り
    伊藤 正恵
    2002 年52 巻1 号 p. 33-40
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 多様な自然宿主と中枢神経系病態
    朝長 啓造
    2002 年52 巻1 号 p. 41-46
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 菅谷 憲夫
    2002 年52 巻1 号 p. 47-53
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    日本では, 学童集団接種は無意味であったという意見が流布し, 集団接種を中止したことは当然のように考えられてきた. しかし, 学童集団接種が実施されていた1970年代, 1980年代のインフルエンザによる死亡者数 (超過死亡) を調査してみると, 1990年代に比べて大幅に低く, 学童集団接種による集団免疫により, 高齢者の死亡が大幅に抑えられていたことが明らかとなった. 最近の数年間で, 日本のインフルエンザの診断と治療は急速に進歩して, 世界のトップとなった. インフルエンザは, 臨床的にインフルエンザ様疾患として, 抗生剤, 解熱剤等を投与する時代は終わり, 迅速診断を実施しその結果に基づいてノイラミニダーゼ阻害剤で治療するという先進的なインフルエンザ診療が, 世界に先駆けて日本において確立しつつある. インフルエンザ脳症と報告されている症例の一部は, インフルエンザウイルスとHHV-6またはHHV-7の重感染が関連している可能性が報告された.
  • 榎並 正芳
    2002 年52 巻1 号 p. 55-59
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • ウイルスと宿主の相互関係・ハンタウイルスとげっ歯類の共進化
    苅和 宏明
    2002 年52 巻1 号 p. 61-67
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    ブニヤウイルス科のハンタウイルスはげっ歯類を自然宿主とし, 感染動物の排泄物を介してヒトが感染する. 本項ではげっ歯類媒介性のハンタウイルス感染症について紹介し, 本症の疫学を中心に話題を提供する. ハンタウイルス感染症はこれまでのところ腎症候性出血熱 (Hemorrhagic fever with renal syndrome: HFRS) とハンタウイルス肺症候群 (Hantavirus pulmonary syndrome: HPS) の2つの病型が知られている. HFRSは高熱, 出血および腎機能障害を主徴とし, おもに東アジアやヨーロッパなどのユーラシア大陸を中心に分布している. これに対し, HPSは迅急性の肺機能障害を特徴とし, 発生は南北アメリカ大陸に限局されている. 現在, わが国には本症の発生はほとんどないが, ウイルスはげっ歯類集団に常在しており, リスクファクターの高いヒトの集団からはハンタウイルス抗体が検出されている. ハンタウイルスの血清型, 媒介動物および重篤度には強い相関があること, ならびにウイルス遺伝子の塩基配列から得られた進化系統樹とげっ歯類の系統分類が一致することから, 本ウイルスとげっ歯類は地質学的な長い時間をかけて共進化してきたものと考えられている. 北海道のタイリクヤチネズミ (Clethrionomys rufocanus) は本ウイルスを保有しているが, 極東ロシアにおいても C. rufocanus が北海道のウイルスと近縁のウイルスを保有することが最近明らかになった. また, 極東ロシアではハントウアカネズミ (Apodemus peninsulas) がヒトに重篤な HFRS を引き起こすウイルスの病原巣動物であることも判明した.
  • 宮澤 正顯
    2002 年52 巻1 号 p. 69-76
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 松下 修三
    2002 年52 巻1 号 p. 77-82
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    HIV (human immunodeficiency virus) 感染症も他のウイルス感染と同じで, 感染後すぐに細胞性・液性の免疫応答が起こり, ウイルスの増殖抑制に作用する. しかし, HIVは排除されずに持続的に増殖し, CD4+ヘルパーT細胞を破壊して, 宿主を免疫不全に至らしめる. 慢性感染期にも細胞性・液性の免疫応答が検出されるが, いずれも不十分で, 免疫をエスケープする変異株の出現を許し, 最終的には有効な免疫応答はみられなくなる. これらの一連のプロセスは感染初期にHIV特異的CD4+ヘルパーT細胞が破壊されるためにおきると考えられている. HIVの初感染では急性ウイルス感染症に共通の全身症状があらわれる. この時点で, 強力な抗ウイルス剤による治療が行なわれると, HIV特異的ヘルパーT細胞が温存され, 感染者の予後を改善すると報告された. 我が国でも, 急性 (初) 感染症例がまれではなくなってきている現状を踏まえ, 日常診療の場でも常にHIV感染症を鑑別診断として考慮することが重要である.
  • 杉浦 亙
    2002 年52 巻1 号 p. 83-87
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 酒井 博幸
    2002 年52 巻1 号 p. 89-94
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    HIV (human immunodeficiency virus) はヒトの AIDS (aquired immune deficiency syndrome) の病原因子である. HIVはレトロウイルス科に属しており, そのグループにはMuLV (マウス白血病ウイルス), ALV (トリ白血症ウイルス) が含まれている. レトロウイルスの生活環に見られる特徴はウイルスゲノムのRNAを逆転写酵素によってDNAに変換し, さらにそのDNAを宿主細胞の染色体へと組み込む点にある. いったんレトロウイルスの感染が成立するとその細胞はウイルスゲノム情報を持ったまま分裂し続け, 細胞寿命が尽きるまでウイルスと共存することになる. MuLVではウイルスゲノムは3つの遺伝子 (gag, pol, env) をコードしており, これらの遺伝子がLTR (long terminal repeat) と呼ばれる転写調節領域の制御の下で一つの転写ユニットからスプライシングや蛋白翻訳のフレームシフトなどを利用して巧妙に発現している. gag はウイルス粒子形成に関わる蛋白, pol は逆転写酵素などの酵素活性, env は宿主細胞への吸着・侵入に関わる外被蛋白をコードしている. 複製能を持つレトロウイルスとしてはこの3つの遺伝子が最小限必要であるが, HIVではゲノム上にその他に少なくとも6つの遺伝子を持っており, これらの遺伝子は制御遺伝子と呼ばれている (図1). MuLVが実験マウスでの発癌性などを指標に選択されてきた, どちらかというと人為的なウイルスであるのに対し, HIVは強い病原性を示し野生的なウイルスの性格を持つ. すなわち, HIVは宿主の防御機構から逃れ, 宿主と静かに共存することなく宿主の免疫機構を積極的に改変することで独自の病原性を示すが, HIVのこのような性質にはHIV独自の制御遺伝子が関わっている可能性がある. この overview ではHIVの制御遺伝子の機能に関する情報を整理し, 今後の課題を提示したい (表1).
  • 櫻木 淳一
    2002 年52 巻1 号 p. 95-102
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    多くのウイルスと同じように, HIVも感染サイクルの中でウイルス粒子 (ビリオン) の形になることで感染を拡大し, 時に標的細胞を変えて渡り歩き, 宿主の免疫系を凌駕して繁栄している. こうしたことからビリオンとなり, 細胞外に存在するときのHIVについての知見を得ていくことは細胞内でのHIVの動向を知ろうとするのと同様に重要なことである.
    HIVのビリオンが初めてとらえられたのは1983年のことであり, 当初それは (おそらく思いこみと出版を急いだために)「典型的なC型RNA腫瘍ウイルスの形状」であると報告されたが, 以後の報告によって,「VISNAウイルスに酷似した形状」となり, レンチウイルスであることが判明した. HIVの粒子は直径約120nmの球状で, ウイルス糖タンパク Env (gp120, gp41) が植え付けられた宿主細胞由来の脂質二重膜からなるエンベロープ, エンベロープを裏打ちするウイルス蛋白群Gagの一つであるマトリックス (MA), その内側にやはりGagの1つ, カプシド (CA) 蛋白からなる円錐台状をしたコアが存在する. コアの内側にヌクレオカプシド蛋白 (NC) に取り巻かれて二量体化しているポジティブ一本鎖RNAのウイルスゲノムが存在する. ウイルス酵素であるプロテアーゼ (PR), 逆転写酵素 (RT), インテグラーゼ (IN), さらにウイルス由来のアクセサリー蛋白のいくつかも粒子内に存在しており, 様々な働きをしていると考えられている (図1). ここではHIVの生活環に合わせて各ステップごとに順を追って研究の現状や最近のトピックを取り上げ, 併せて将来の展望を述べてみたい. 図2にはHIV粒子が生成してから感染するまでに経るイベントを模式的に示した.
  • 藤井 雅寛, 樋口 雅也, 遠藤 啓一, 高橋 利幸, 大橋 美奈子, 手塚 貴文, 篠原 博彦, 平田 明, 森 直樹
    2002 年52 巻1 号 p. 103-108
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 皆川 洋子
    2002 年52 巻1 号 p. 109-115
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 近藤 一博
    2002 年52 巻1 号 p. 117-122
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 葛島 清隆
    2002 年52 巻1 号 p. 123-127
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 原田 志津子
    2002 年52 巻1 号 p. 129-134
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    EBウイルスはこれまでに9種類知られているヒトヘルペスウイルス (HHV1~5, 6A, 6B, 7, 8) のひとつ (HHV4) であり, 伝染性単核症の病原ウイルスであるが, ほとんどのヒト宿主にとっては, 幼少期の不顕性感染後は終生体内におとなしく潜伏感染するウイルスである. 37年前にバーキットリンパ腫組織由来細胞から電子顕微鏡を使って発見され, その後上咽頭癌組織にウイルスDNAが見つかった経緯から, ヒトに感染するウイルスの中では初めて癌ウイルスと呼ばれた. しかも免疫不全, 免疫抑制状態にある個体や患者にEBウイルスが関係したリンパ腫やBリンパ球増多症が発症する事が知られ, さらに最近の分子生物学的分析によって, 前述の腫瘍以外にT細胞腫, 胃癌, ホジキン病など様々な腫瘍との関連が疑われるようになってきた. このようなEBウイルス感染による腫瘍発生メカニズムはEBウイルス研究者の大きな興味の対象であるが, 未だ解明されてはいない. しかし発がん本態の基を形作っているEBウイルスの潜伏感染の機構こそ解明されるべき最重要課題であり, EBウイルス感染に起因する疾病や発がんを予防・治療する為の知識基盤を確立するうえで極めて重要な基礎研究である. 最近のEBウイルス基礎研究の焦点はこの潜伏感染機構解明に絞られ, その流れはウイルス産物の関与にむき, 核蛋白や膜蛋白の関与メカニズムが徐々に明らかになってきている. 現在までの研究の詳細は優れたレビューにお任せし, 本稿では筆者らが行ってきた核蛋白EBNA-2, EBNA-LPの機能解析の結果を中心に, 現在考えられているメカニズムのアウトラインを示したい.
  • 渡辺 慎哉
    2002 年52 巻1 号 p. 135-139
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 谷口 孝喜
    2002 年52 巻1 号 p. 141-146
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 余郷 嘉明
    2002 年52 巻1 号 p. 147-150
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 井廻 道夫
    2002 年52 巻1 号 p. 151-156
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 加藤 宣之
    2002 年52 巻1 号 p. 157-162
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 坂口 末廣
    2002 年52 巻1 号 p. 163-167
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    プリオン病の病原体は, 正常脳組織に発現する正常型プリオン蛋白 (PrPC)が構造変換を起こし産生された異常型プリオン蛋白(PrPSc) から構成されているとするプリオン仮説が一般に広く受け入れられている. しかし, 未だPrPScそのものが感染性であるという直接的な証明はない. また, この構造変換は, プリオン病の病態形成の中心的役割をも担っていると考えられているが, その詳細な分子機構は未だ不明である. ここでは, プリオン病の病原体及び病態生理について, これまでの研究から明らかになったことを紹介しながら概説したい.
  • 橋元 宏治, 柳 雄介
    2002 年52 巻1 号 p. 169-175
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    野生型麻疹ウイルスの細胞侵入を定量的に解析するために, GFPを発現する組換えウイルスを作製した. このウイルスは, 麻疹ウイルスレセプターであるSLAMを発現している細胞に感染すると緑色蛍光を発する合胞体を形成した. 一方, SLAM陰性細胞にも低頻度の感染が起こったが合胞体は形成しなかった. 感染後に緑色蛍光を発する細胞の数を定量すると, SLAM陰性細胞は, 陽性細胞に比べて細胞侵入効率が1/100から1/1,000であった. SLAM陰性細胞への感染は抗CD46抗体で阻止できなかった. また, エンドサイトーシスは関与していなかった. 以上の結果より, 効率は非常に低いものの, SLAMやCD46以外のレセプターを用いた麻疹ウイルスの細胞侵入経路があることが示された. 上皮細胞, 内皮細胞, 神経細胞などSLAMが発現していないとされる細胞における麻疹ウイルス感染にこのような経路が関与しているかもしれない.
  • ウイルスゲノムの脱殻から組み込みまで
    増田 貴夫
    2002 年52 巻1 号 p. 177-183
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    インテグラーゼは, レトロウイルスが感染を成立する際に, 逆転写酵素によりDNAに変換されたウイルスゲノムを宿主細胞の核内染色体に組み込む酵素である. インテグラーゼは, ウイルス感染成立の最終ステップを司る酵素であるから, 逆転写反応の1本鎖RNAから2本鎖DNA変換というダイナミックなゲノム変換の前後あるいは感染細胞の核膜通過中において, なんらかのかたちでウイルス遺伝子との相互作用を保持する機能をもちあわせている蛋白であろうと考えた. 本稿では, 我々のインテグラーゼ変異体による機能解析を中心に, インテグラーゼの新たな機能として, 本来の酵素活性の場であるウイルスゲノムの組み込み (インテグレーション) に加え, 脱殻, 逆転写, 核移行等ウイルス感染初期過程の各ステップにおける機能的関与についてまとめた.
  • 松浦 善治
    2002 年52 巻1 号 p. 185-190
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
  • 鶴見 達也
    2002 年52 巻1 号 p. 191-201
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    Epstein-Barr virus (EBV) は伝染性単核球症の原因ウイルスとして知られているが, バーキットリンパ腫, 上咽頭がん, T細胞白血病, 胃がん, 乳がん等との関連が指摘されているヒトがんウイルスである. バーキットリンパ腫の樹立細胞からEBVゲノムが脱落すると腫瘍原性がなくなり再びEBVが感染しEBVゲノムが導入されるとその細胞は腫瘍原性を獲得することから, 細胞にEBウイルスゲノムが複製保持されることが腫瘍原性に密接に関連していることが示唆される. 従ってウイルスゲノム複製及び保持機構の解明はEBV感染がん細胞の制御を考える上で重要な研究領域である.
    DNAウイルスであるEBVは宿主細胞の核をゲノム複製の場とするが, 潜伏感染状態とウイルス産生状態でウイルスゲノム複製機構が異なる. 潜伏感染状態ではウイルスゲノムはヒストン蛋白質と結合したヌクレオゾームとして存在し染色体DNAと同じようにS期に同調して1回複製される. このゲノム複製は細胞周期に依存した複製様式から染色体複製開始の制御に関わる宿主蛋白質がEBVゲノムと相互作用をしていることが最近相次いで報告された. 一方, ウイルス産生状態においては潜伏感染時とは異なる複製開始領域oriLytから複製が開始し少なくとも複製後期においてはローリングサークル型複製様式によりウイルスゲノムは複製される. ローリングサークル型複製フォークで働くDNA合成装置は6種のウイルス由来複製蛋白質群 (DNAポリメラーゼ複合体, 一本鎖DNA結合蛋白質, ヘリカーゼ/プライマーゼ複合体) から構成される.
    本稿では (1) 潜伏感染時のEBVゲノム複製に関与することが明らかとなったOrc, CDC6, MCM complex の細胞内動態についてのぞく (2) EBV複製フォークで働くウイルス複製蛋白質の機能, 蛋白質間相互作用について我々がこれまでに得た知見を紹介し, EBV複製フォークのモデルを提示すること, また対照となるバクテリオファージなどの原核生物, 真核生物複製系と比較検討する.
  • 藤井 豊, 河岡 義裕
    2002 年52 巻1 号 p. 203-206
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    A型インフルエンザウイルスのゲノムは, 8本のRNAセグメントに分かれており, ウイルス粒子は, 球状, ひも状, いびつなものなど様々な形をしている. このようなインフルエンザウイルス粒子に8本のウイルスRNA (vRNA) セグメントがどのようにして取り込まれるのか, すなわち, 本ウイルスRNAインコーポレーションのメカニズムは, ウイルス学の古典的命題にもかかわらず, その詳細はほとんどわかっていない.
    私達は, この命題解明の第一歩として, RNAセグメントのウイルス粒子形成効率におよぼす影響, ならびに, そのウイルス粒子への取り込みに関与する構造 (インコーポレーション・シグナル) について調べた.
  • 川口 寧
    2002 年52 巻1 号 p. 207-216
    発行日: 2002/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
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