水環境学会誌
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35 巻, 4 号
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原著論文
  • 石川 百合子, 川口 智哉, 東野 晴行
    原稿種別: 原著論文
    2012 年 35 巻 4 号 p. 65-72
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/04/10
    ジャーナル フリー
    化学物質の水系内の河川水濃度をモニタリングより俯瞰することは,時間的,空間的に密に観測することが経済的,作業的に困難であることから現実的でない。この認識の下,全国109の1級水系を対象に化学物質の河川水濃度を月単位かつ3次メッシュの解像度で推定する産総研-水系暴露解析モデル(AIST-SHANEL Ver.2.0)が開発されている。本研究では,このモデルを直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)に適用した結果,複数地点の月単位および年平均の河川流量と河川水LAS濃度に関して推定値を検証するとともに,月別変化や面的分布を捉えることができた。また,化学物質の観測値の経時変化が得られることは稀で,これを負荷流出特性から検証した結果,LASの経時変化の妥当性が判断できた。本研究により,本モデルはモニタリングでは捉えきれない潜在的なリスクを時間的,空間的な環境場に対して見逃さない評価を可能にしたものと考える。
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