水環境学会誌
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34 巻, 12 号
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ノート
  • 市原 真紀子, 西尾 孝之
    原稿種別: ノート
    2011 年34 巻12 号 p. 183-189
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/10
    ジャーナル フリー
    Alの高濃度化や不純物の精製など,改良を加えた浄水汚泥からの凝集剤回収法について検討し,そのリン除去能を検証した。回収凝集剤(再生バンド)のAl2O3濃度は0.75~9.4%であり,一部はJISに定めるAl濃度を満足していた。含水率の低い浄水汚泥を用いると,よりAl濃度の高い再生バンドを作成可能であったが,同時に不純物の高濃度化が見られた。再生バンドはT-NやT-P,Fe,Mnを高濃度含んでいたが,精製処理によりT-P以外は43.6~76.5%除去され,Alの低濃度化や鉄・マンガンの濃縮といった既報における欠点を一定克服した。モデル排水(T-P 0.85 mg・L-1)や地下水(T-P 1.14~1.52 mg・L-1)を用いたジャーテストにおいて,再生バンドは市販の硫酸バンドと同等のリン除去能を示し,1:5(PO43-:Al)のモル比で9割以上のリンが除去された。
  • 篠原 陽子, 杉原 黎子
    原稿種別: ノート
    2011 年34 巻12 号 p. 191-195
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/10
    ジャーナル フリー
    非イオン界面活性剤による水環境負荷の軽減と回収・再利用による省資源化を目指している。前報では,土壌吸引ろ過法による水溶液中の界面活性剤の捕捉・回収が可能であることを報告した。本報では,回収した非イオン界面活性剤を抽出溶媒であるアルコールから分離し,再利用が可能であるか否かについて検討した。その結果,エバポレーターを使ってアルコール溶媒からNP10,NP15,NP20を分離することができた。分離後のNP10は,NMR分析の結果では構造の変化はみられなかった。洗浄に関連する性能として,表面張力,浸透力,臨界ミセル濃度,分散力,乳化安定性を調べた。表面張力と浸透力の一部,分散力は未処理のものと比較して有意な差が認められるものもあったが,アルコールから分離した後も界面活性剤としての性能を有していた。これらの結果から,このモデル系においては,回収した非イオン界面活性剤の再利用の可能性が認められた。
調査報告
  • 古川 隼士, 甲斐 竜輔, 土手 裕, 鈴木 祥広
    原稿種別: 調査報告
    2011 年34 巻12 号 p. 197-201
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/10
    ジャーナル フリー
    近年,沿岸レクリエーション用水域が,ふん便に由来する病原性微生物によって汚染されることが問題となっており,ヒトへの感染・発症リスクはそれほど低くないといわれている。本研究では,病原性微生物の存否の指標となるふん便指標細菌の汚染状況を把握するために,宮崎県青島海水浴場において,ふん便性大腸菌群(FC)と腸球菌(ENT)のモニタリング調査を実施した。調査期間は,梅雨期間および海水浴場開放期間を含む2010年5月~8月とした。青島海水浴場において,FC,およびENTはそれぞれBDL(Below detection limits:検出下限値以下)~1.4×103 CFU・100 mL-1,およびBDL~4.6×102 CFU・100 mL-1の範囲で検出された。約1ヵ月間実施した経日モニタリングでは,細菌数は降雨時に上昇し,両ふん便性細菌がUSEPAの基準値以上で検出される場合もあった。降雨時に高濃度で検出されたふん便性細菌は,降雨後の3日間で10 CFU・100 mL-1前後まで低下した。
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