水環境学会誌
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41 巻, 1 号
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研究論文
  • 小林 志保, 藤原 建紀, 駒井 幸雄, 田中 周平, 鈴木 裕識
    原稿種別: 研究論文
    2018 年41 巻1 号 p. 1-10
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/01/10
    ジャーナル フリー
    水域底層において分解され酸素を消費する有機物の起源を, その分解生成物である溶存無機態炭素 (DIC) の安定同位体比を用いて推定する方法は, 少量の水を用いて短期間で推定が行なえる点で実用性が高い。港湾泊地の浚渫窪地にできる無酸素水塊では, DIC濃度の上昇に従いDICの安定同位体比 (δ13C) が低下しており (R2=0.93) , 両者の関係を用いて水中の酸素を消費して分解された有機物のδ13Cを精度よく推定することができた。無酸素水塊中でpHの低下が進んでいる海域には, 従来湖沼において用いられてきたこの方法を適用できることが示された。また当該水域における内部生産有機物および陸起源有機物のδ13Cを用いてそれぞれの寄与率を求めたところ, 前者の寄与率が59~88%であった。海水交換が極めて小さいという特徴を持つ窪地は, 海域における有機物の分解過程を定量的に調べるために好適な場所と考えられた。
調査論文
  • 浦瀬 太郎, 筒井 裕文, 中村 和也
    原稿種別: 調査論文
    2018 年41 巻1 号 p. 11-17
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/01/10
    ジャーナル フリー
    電子付録
    下水処理水には特有のにおいがあるが, その原因物質は明らかになっていない。本研究では, におい嗅ぎガスクロマトグラフ (GC-O) を用いて, 下水処理水の臭気の原因物質を7か所の処理場処理水を対象に調べた。反応タンクに覆蓋のある大規模な下水処理場処理水のにおい嗅ぎGC分析では, 2,4,6-トリクロロアニソール (TCA) の臭気を最も強く, あるいは, 二番目に強く感じた。これらの処理場の処理水に含まれる2,4,6-TCA濃度は11.6~21.2 ng L-1であり, 臭気閾値の100倍程度に達するものであった。また, すべての下水処理水で2-メチルイソボルネオール (MIB) およびジオスミンのかび臭を比較的強く感じた。さらに未同定の甘臭成分の下水処理水臭への大きな寄与が観察された。反応タンクに覆蓋のない小規模処理場の処理水には, かび臭成分に加えて, 大規模な処理場処理水にはほとんど見られない酸味臭, 腐敗臭/硫黄臭成分が含まれていた。
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