整形外科と災害外科
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68 巻, 1 号
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  • 上釜 浩平, 川内 健寛, 齋藤 嘉信, 佐々木 裕美, 永野 聡, 瀬戸口 啓夫, 谷口 昇
    2019 年 68 巻 1 号 p. 173-175
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2019/05/16
    ジャーナル フリー

    【はじめに】アダマンチノーマは良く知られた悪性骨腫瘍であるが,発生は非常に稀であり診断の遅れが報告されている.【症例】43歳男性,建築業.4年前から右下腿を数回打撲,3年前に近医を受診し右脛骨前面骨皮質の不整と硬化像を指摘されたが経過観察となる.1か月前に再度打撲,前医を受診.MRIにて右脛骨近位部に腫瘍像を指摘され当科紹介受診された.単純X線にて脛骨近位骨幹部前面骨皮質に透亮像,その遠位と近位に骨硬化像を認めた.MRIにて骨透亮像部に骨外に進展する腫瘍を認め,生検にてアダマンチノーマの診断を得た.遠隔転移は認めず,腫瘍広範切除術を施行した.腫瘍辺縁から1cmマージンで切除後,同側腓骨を有茎血管柄付き移植し再建した.術後8か月,骨癒合を認める一方再発転位は認められず,職場復帰している.【考察】職業柄,繰り返す打撲を契機に受診していたことも診断の遅れにつながった症例と考えられた.広範切除後の再建方法として有茎血管柄付き腓骨移植は簡便で有用な方法であることが示された.

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