1999年3月に,高等学校学習指導要領の改訂が告示され,2003年4月の施行に向けて,教科書作成など準備が進められている。しかし,1994年度より開始された現行の教育課程における実態は報告されていない。現行では,物理IA,物理IB,物理IIの3科目が設置されている。本論文では,そのうち物理IB,物理IIを学習してきた高校生の目をとおして,物理学習の実態と問題点について調査した。分析にあたっては「好嫌度」および「自信度」という指標を用いた。その結果,高等学校で物理IB,物理IIを学んでいる多くの学習者にとって,現行の物理学習は未だに支持されていず,物理離れが深刻なことがわかった。
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