1988年6月から英国のイングランドとウェールズの全16歳の生徒に対して,新しい中等教育修了時の試験GCSEが実施されるようになった.教育の中央集権化であり,生徒の選別につながるとの批判もあるが,自然科学の教育に関しては,国際的動向を反映した改革となっている.生徒が興味をもつことから出発し,生徒自身による研究を重視していること,科目間の整合,技術への応用や社会との関連についての学習等,これまでのナフィールド科学等の実践に裏付けられた内容である.また,教育の目的から内容,方法,その評価にいたるまで,具体的な指針がしっかりした哲学のもとに与えられている.新しく開発されたナフィールド整合物理を中心にGCSEについて論じる.
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