高次脳機能研究 (旧 失語症研究)
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31 巻, 1 号
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会長講演
  • 中島 八十一
    2011 年 31 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2011/03/31
    公開日: 2012/04/17
    ジャーナル フリー
       外傷性脳損傷や脳血管障害などによる高次脳機能障害をもつ者やその家族から,自分たちは支援のいずれの仕組みからももれてしまうという不満の声が大きく上がり始めたのが 1990 年代後半のことであった。
       厚生労働省はこのような不満の声に適切に対処するため,2001 年度から 5 ヵ年計画として「高次脳機能障害支援モデル事業」を立ち上げ,当該障害を明確に器質的精神疾患として定義し,内因性精神疾患や変性疾患などと区別する操作的な診断基準を作成した。加えて,標準的な医学的訓練プログラムならびに社会復帰のための支援プログラムを作成した。
       モデル事業終了後,障害者自立支援法の成立と相俟って,全国で実施される一般事業として高次脳機能障害支援普及事業が始まった。その結果,現在すべての都道府県に地域支援拠点機関が設置され,支援コーディネーターが配置されることによって地域の実情に応じた支援ネットワークを構築しつつある。
原著
  • 稲垣 侑士, 境 信哉, 伊藤 文人, 大槻 美佳, 浅野 友佳子, 平山 和美
    2011 年 31 巻 1 号 p. 8-18
    発行日: 2011/03/31
    公開日: 2012/04/17
    ジャーナル フリー
    低酸素脳症後に知覚型視覚性失認と意味記憶障害を呈した患者にリハビリテーションを行った。1) 視覚弁別探索訓練,2) 彩色画マッチング訓練,3) 物品の視覚特徴を列挙した後同定を行う「誤りなし学習」訓練を順次施行した。訓練後,視覚弁別探索は速く秩序だったものになり,フォローアップまで維持された。彩色画のマッチングは改善し,別の彩色画にも般化,フォローアップまで維持された。訓練に用いた物品の同定は向上し,一部はフォローアップまで維持された。一方,訓練に用いなかった物品の視覚同定は改善せず,般化はみられなかった。しかし,訓練後の実生活で特徴列挙後の同定が習慣となり,十分な繰り返しの後には,個々の物品の同定は向上する様子がみられた。以上,生活に重要な物品を選んで行うならば,その物品に限っては訓練の有効性があることが示唆された。
特別報告
第34回日本高次脳機能障害学会 (旧 日本失語症学会) 学術総会講演抄録 一般演題
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