高次脳機能研究 (旧 失語症研究)
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38 巻 , 1 号
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特別講演
  • 岡ノ谷 一夫
    2018 年 38 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2019/04/05
    ジャーナル フリー

      人間と動物の認知的断絶を生物学的につなぐ仮説を紹介する。人間の言語と感情は, 他の動物には見られない詳細なコミュニケーション信号である。これらはどのように進化してきたのか。情動を表出する信号としての音声が複雑化し, 状況のカテゴリー化を可能にする言語に至る道筋を, 前適応という考えで説明する。さらに, 言語の表出と対になる顔表情との表出について, それが正直な信号として言語内容を保証するものであるという仮説を説明する。最後に, 言語が正直な信号の支えを得られなくなった時, 人間のコミュニケーションシステムが崩壊する危険もあることを指摘する。電子デバイスの発展は, そのような危険をもたらす可能性を持つ。

基調講演
  • 立石 雅子
    2018 年 38 巻 1 号 p. 8-13
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2019/04/05
    ジャーナル フリー

      高次脳機能障害の領域においても, 科学技術の進歩に伴い, さまざまな新たな知見が蓄積されてきた。それでも, 障害を通して理解される人の脳の仕組み, 心の動きについては常に未知の部分が残る領域と考えられる。この未知の部分に対して, 障害のある人々のために最善となることを追求し, その方略をあくまでも科学的に検討することが臨床研究活動ということになる。
      そのために, 対象となる障害だけでなく, 自己を知り, 他職種を知り, 先輩後輩を知ること, 障害のある人を知ること, それを通して互いの知識を共有すること, 互いを理解することは重要な課題である。この課題は臨床的な学術研究活動を通し, 時系列の中でもまた空間の中でも広げ, つないでいくことが求められる。その過程を通し, 人と人とのつながりができる。この貴重な人と人とのつながりこそ, 「わかりあう」の基盤をなし, 「わかりあうを科学する」という臨床研究活動はそのうえに成り立つと思われる。

原著
  • 土屋 知子
    2018 年 38 巻 1 号 p. 14-21
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2019/04/05
    ジャーナル フリー

      高次脳機能障害の主要症状の一つである社会的行動障害のうち, 「情動コントロールの障害」および「対人関係の障害」について, これらの症状のある人に対して, リハビリテーション医療機関においてどのような支援技法が使用されているのか調査を行った。両症状について共通して 50% 以上の高い割合で使用されていたのは, 不適切な行動のきっかけについてのアセスメントや家族への助言を含む環境調整, 当事者の気分の安定への働きかけであった。一方, 社会的行動上の課題について当事者の自覚を促す支援技法や, 適切な行動の習得を促す支援技法は使用される割合が低かった。就労支援を行う医療機関に所属する回答者とそれ以外の回答者の回答を比較すると, 8 割以上の支援技法に関して前者の方が高い割合で使用していた。両者の差がもっとも目立ったのは, 集団を活用した支援 (グループワーク) の使用割合で, その差は「情動コントロールの障害」については 27%, 「対人関係の障害」については25%であった。

第41回 日本高次脳機能障害学会学術総会講演抄録一般演題
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