高次脳機能研究 (旧 失語症研究)
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33 巻 , 2 号
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シンポジウム I : ノンバーバルコミュニケーション
  • 河村 満
    2013 年 33 巻 2 号 p. 167
    発行日: 2013/06/30
    公開日: 2014/07/02
    ジャーナル フリー
  • 山口 真美
    2013 年 33 巻 2 号 p. 168-174
    発行日: 2013/06/30
    公開日: 2014/07/02
    ジャーナル フリー
       乳児を対象とした発達過程から見ると言語発達と顔認知発達は類似した点がある。この類似点を述べた上で, 本論では, 顔認知の発達と障害と, コミュニケーション的観点からの顔認知発達の重要性について論じる。複数の処理段階を経て成人の顔処理へと移行する, 顔認知の発達について論じ, さらに顔認知の障害には, 発達初期の初期視覚野の特異性が原因となる可能性があることについて論じる。発達初期の顔学習を示した顔学習モデル(Valentin ら 2003)によると, その情報量から予測されるよりもはるかに速く学習が進むという。この速い顔学習には, 乳児期の未熟な視力がかかわっている。すなわち, 視力が十分に発達していないため, 入力される顔が粗く情報量が少なくなり, 結果として短期間での顔学習が成立するという。こうしたメカニズムについて言及しつつ, 乳児の視力によって顔のどんな情報が学習されやすいか, 顔の全体処理のメカニズムから説明し, 顔を見ることが苦手とされる, 発達障害の顔認知発達についても言及する。
  • 内山 千鶴子
    2013 年 33 巻 2 号 p. 175-181
    発行日: 2013/06/30
    公開日: 2014/07/02
    ジャーナル フリー
       自閉症児は共同注意の発達に問題があり, そのため言語獲得が遅延することが指摘されている。しかし, 共同注意を促進する要因や言語発達との明確な関係性は明らかとなっていない。自閉症児の実践的な研究で共同注意が観察された報告が散見される。内山(2009)は発語が無い自閉症児の指導過程で共同注意の改善を観察し, 共同注意出現の要因として自閉症児が興味を持ち注目する文字を挙げ, 文字が共同注意を促進し, 言語理解を改善させた可能性を示唆した。さらに, 視線追跡アイマークレコーダーを用いて自閉症児の視線を分析したところ, 自閉症児では既知刺激に選好し未知刺激の探索が弱いこと, 母親の視線上の対象へ視線移動できず, 母親の視線の意味を理解できないこと, 音声刺激により文字への注意が促通されることが示された。このような自閉症児の外界認識における視線の特徴から, 自閉症児が共同注意と言語発達を促進する要因を考察した。
  • 福武 敏夫
    2013 年 33 巻 2 号 p. 182-188
    発行日: 2013/06/30
    公開日: 2014/07/02
    ジャーナル フリー
       人格は背景に社会があって初めて問題になり, 人格障害は社会の中で扱われる。統合失調症や重度のうつ病が代表格であり, “idiopathic/developmental sociopathy”といえる。一方, 人格変化は, 何らかの脳損傷により生じ, 非言語的コミュニケーションを通して行動学的に判断される。人格変化も高度であれば, “acquired sociopathy”と捉えられる。本稿では, 左視床傍正中動脈(背内側核・正中核群)梗塞による意識障害から回復後に著明な人格・情動変化と前頭葉様症候を呈した48 歳男性例を紹介するが, 明らかな記憶障害を伴っていなかったことが大きな特徴であり, 脳における記憶回路(Papez)と情動回路(Yakovlev)の独立性を考える上で重要な症例と思われる。背内側核は, 前頭葉に想定されている3 つのサーキット(背外側部, 前頭眼窩野, 前部帯状回)のすべての要にあり, 統合失調症においても重要とされている。その病態分析のために, 同様症例の蓄積が望まれる。
  • 河村 満
    2013 年 33 巻 2 号 p. 189-192
    発行日: 2013/06/30
    公開日: 2014/07/02
    ジャーナル フリー
       左半球の下前頭回弁蓋部・三角部(Brodmann44, 45 野)を中心としたいわゆる Broca 野は言語生成の中枢とみなされてきた。その一方で, 近年では Broca 野が行為の観察, 実行, 模倣に関与することが示されつつある。それにも関わらず, Broca 野の病変により行為機能が障害される(=失行が生じる)という報告は少ない。最近我々は, Broca 野を共通病変として有する症例 4 例(梗塞 3 例, 腫瘍 1 例)について失行検査を行い, その症状について検討した結果を発表した(Tsuruya ら2013)。本論文では, この論文について解説し, Broca 野病変で観念運動性失行が生じることを示し, ノンバールコミュニケーションにおけるBroca 野の意義を確認した。さらに, Broca 野が社会的認知機能と関連する可能性についても述べた。
パネルディスカッション : 統語処理の障害
  • 加藤 元一郎, 勝木 準
    2013 年 33 巻 2 号 p. 193-194
    発行日: 2013/06/30
    公開日: 2014/07/02
    ジャーナル フリー
  • 大槻 美佳
    2013 年 33 巻 2 号 p. 195-204
    発行日: 2013/06/30
    公開日: 2014/07/02
    ジャーナル フリー
       文の産生と理解に必要な機能と神経基盤について検討した。23 名の限局する脳損傷患者を対象として, 種々の文産生課題および文理解課題を施行し, その誤り内容を分析した。その結果, 文の産生には, 文をどう構成するかの‘視点’を選択・決定する能力と, 最初に計画した文構成を維持する‘一貫性’が必要であることが推測され, ‘視点’の決定には前頭葉が, ‘一貫性’の維持には頭頂葉が関与していることが示唆された。文の理解には, 予想される一般的な語順等と異なった文に対応する‘視点’を柔軟に変更する能力と, 提示される文を最後まで聴いた上で処理するという‘一貫性’が必要であることが示唆され, ‘視点’変更には前頭葉が, ‘一貫性’維持には頭頂葉が関与していることが示唆された。
  • 金野 竜太
    2013 年 33 巻 2 号 p. 205-211
    発行日: 2013/06/30
    公開日: 2014/07/02
    ジャーナル フリー
       言語の情報は, 単語から文や文章まで異なるレベルでそれぞれ処理される。文法知識を適用して文構造を構築していく過程では, 左前頭葉が重要な役割を果たしている。我々は機能的磁気共鳴映像法を用いて, 左下前頭回および左運動前野外側部が文の統辞処理に関与することを実証した。さらに, 左前頭葉の神経膠腫患者の統辞的文理解を評価したところ, 左下前頭回と左運動前野外側部の神経膠腫によって, 確かに統辞処理に選択的な障害が生じることが明らかとなった。さらにまた, 統辞処理障害を呈する患者の脳活動を詳細に検討することにより, 統辞処理に関与する 3 つの脳内ネットワークを可視化した。そして, 統辞処理障害がこれらのネットワークの機能再編に基づくことが明らかとなった。以上の結果は, 言語のモジュール仮説を支持する。
  • 菅野 倫子
    2013 年 33 巻 2 号 p. 212-220
    発行日: 2013/06/30
    公開日: 2014/07/02
    ジャーナル フリー
       失文法は脳病変により生じる文法の障害である。日本語における失文法は英語などの各言語と同様に, 発話における格助詞の脱落や誤用にとどまらず, 動詞の脱落や誤用, 文構造の単純化, および多くの例で構文理解障害を呈する。我々は文の理解や発話に文法的誤りを呈した左前頭葉主病変7 例と左側頭葉主病変3 例に動詞を与えて文の発話を求め, 格助詞や項の誤りが消失するかどうかについて検討を行った。 その結果, 左側頭葉限局病変の1 例では動詞があることにより格助詞と項の誤りはすべて消失したが, 他の症例では格助詞と項の誤りは残存した。誤りが残存した症例の病変部位は, 左前頭葉主病変例では左下前頭回皮質・皮質下白質を含み, 左側頭葉主病変例では左側頭葉および頭頂葉を含む広範な領域であった。 結果より, 今回の症例では左側頭葉病変が文発話における動詞の喚語に関わること, 統語処理の過程には左前頭葉病変のみならず左側頭葉・頭頂葉病変が関わることが考えられた。
  • 安田菜穂
    2013 年 33 巻 2 号 p. 221-227
    発行日: 2013/06/30
    公開日: 2014/07/02
    ジャーナル フリー
       動詞の喚語が不良であり, 文の発話が困難な慢性期の中等度失語症 3 例(Broca 失語 2 例, Wernicke 失語 1 例)に, 文の産生能力の改善を目的とした動詞の喚語訓練を実施し, 訓練効果と文発話能力との関連を検討した。動詞の喚語訓練には, 動詞と結合する意味役割の名詞をキューとして用いる意味役割法と, 動詞の語頭音節をキューとして用いる音韻法を用いた。単一事例実験デザインの ABBA 法に準拠し, 症例によって意味役割法と音韻法の順序を換えて実施した。訓練実施後に 3 例の動詞の喚語能力に有意な改善が認められた。また, 非訓練語への般化については3 例中 2 例に有意な改善が認められた。 4 コマ漫画の説明を用いた談話評価では, 全例で訓練実施後に動詞の語数, 意味役割の数および語彙の適切な意味役割の数が有意に増加した。しかし, 全例の談話に助詞の誤用は残存した。動詞の喚語訓練により, 動詞の語彙情報と述語・項構造情報が賦活され, 文の発話の回復を促したと考えられた。
原著
  • 板口 典弘, 福井 俊哉, 福澤 一吉
    2013 年 33 巻 2 号 p. 228-235
    発行日: 2013/06/30
    公開日: 2014/07/02
    ジャーナル フリー
       パーキンソン病患者の運動計画機能を調べるため, PD 患者16 名(Hoehn and Yahr stage 2 4)と同数の若年健常者の ESC (End State Comfort)課題の成績を比較した。実験参加者は, 台の上に水平に置かれた棒を掴み, 指定された棒の先端をゴールの台に垂直に立てた。その際の棒の把持の仕方および反応・運動時間を記録した。その結果, PD 患者は反応時間と動作の延長が観察されたものの, 健常群と同様に運動終了時の手姿勢を考慮した運動計画・実行が可能であることが示された。すなわち, 若年健常者と同程度の頻度で, 最終的な手姿勢が快適な姿勢になるような握り方を選んで棒を掴むことが可能であった。さらに, 利き手のESC 効果に関する優位性や順手把持を好む傾向も両群で一致した。反応・運動時間に関する解析結果は, 運動計画が運動開始時までには終了していること, 運動計画と運動遂行の延長は同じ神経機序によって延長されていることを示唆した。また, 本研究の範囲内ではswitching の障害は示唆されなかった。
  • 剣持 龍介, 小林 知世, 山岸 敬, 佐藤 卓也, 今村 徹
    2013 年 33 巻 2 号 p. 236-244
    発行日: 2013/06/30
    公開日: 2014/07/02
    ジャーナル フリー
       【目的】 Rey-Osterrieth Complex Figure Test (ROCF) の模写課題における認知症患者の遂行機能障害を評価する簡易な尺度を作成し, 妥当性を検討する。【対象】 新潟リハビリテーション病院神経内科を初診し, 数唱, MMSE, Alzheimer's Disease Assessment Scale(ADAS), Frontal Assessment Battery (FAB)および ROCF の模写課題を施行した認知症患者で MMSE 得点が15 点以上かつ25 点以下の97 症例。【方法】 評価項目は, 計画的で効率的な模写遂行のために適切な順序で模写されているか否か(模写時方略)を評価する 2 項目と, 体系的な模写遂行のために重要な ROCF の部位がまとまった形態として抽出されひと続きで模写されているか否か(骨格要素の抽出)を評価する 5 項目の計7 項目とした。評価項目ごとに得点あり/なしを従属変数とし, MMSE 得点および教育年数を共変量, 年齢, ADAS 下位項目のうちの単語再生, 構成, 観念行為, 見当識, 単語再認の減点, FAB 得点いずれかを独立変数とする logistic 回帰分析を施行した。【結果】 教育年数と認知機能の全体重症度の影響を除外した logistic 重回帰分析において, 評価項目のうちの(1)模写時方略のa)大きな長方形の描き方, b)大きな長方形内部の描き方, (2)骨格要素の抽出のa)大きな長方形, b)大きな長方形内の2 つの対角線, d)大きな長方形内の水平な中央線の 5 項目でFAB 得点との間に有意な関係また有意ではないものの関係する傾向が認められた。これら5 項目の合計得点を従属変数とし, 教育年数と認知機能の全体重症度の影響を除外した重回帰分析においても, FAB 得点に有意な偏回帰係数が得られた。【結論】 本研究では, 評価項目の多くと遂行機能障害との関係が確認され, 尺度として一定の妥当性が示唆された。これらの評価項目を用いた尺度は, 認知症患者の ROCF 模写課題における遂行機能障害を評価する簡便な評価方法であり, 物忘れ外来などの日常的な臨床場面での使用に一定の有用性を有すると考えられた。
  • 坪井 理佳, 城川 哲也, 堀場 充哉, 山下 豊, 和田 郁雄, 梅村 淳, 三村 將
    2013 年 33 巻 2 号 p. 245-252
    発行日: 2013/06/30
    公開日: 2014/07/02
    ジャーナル フリー
       視床下核脳深部刺激術 subthalamic nucleus deep brain stimulation (STN-DBS) が高次脳機能に及ぼす影響について, 特に言語学習に焦点をあてて検討した。対象は両側 STN-DBS を受けたパーキンソン病患者45 例 (平均年齢 62.8 ± 8.9 歳, 平均罹病期間 12.1 ± 6.7 年, 女性 21 名) であった。術後に有意な投薬量の減少と運動機能の改善を認めた。一方, 術後平均 16 ± 2 日に実施した認知機能検査において, Rey Auditory Verbal Learning Test (RAVLT) では, 遅延再生に反映される言語学習の長期的把持量自体に術前後では変化はなく, 記銘力への明らかな負の影響はないと考えられた。しかし, RAVLT の学習曲線には変化がみられ, 術後は試行後半での学習の伸びがみられず, 軽度の学習効率の低下を認めた。また, Mini-Mental State Examination (MMSE) は有意に低下し, 数唱は低下する傾向を示した。Modified Stroop Test では, 術後に反応抑制を反映する条件での処理速度の低下がみられた。以上の結果から, STN-DBS はパーキンソン病患者の長期記憶自体を悪化させるものではないが, 注意や全般性認知機能の低下とともに, 系列言語学習の軽度の効率低下を招来することが示唆された。
  • 森岡 悦子, 金井 孝典, 中谷 謙
    2013 年 33 巻 2 号 p. 253-261
    発行日: 2013/06/30
    公開日: 2014/07/02
    ジャーナル フリー
       失語症の検査成績の分析から, 言語機能と実用的コミュニケーション能力の関連を検討した。失語症者88 名に対し, SLTA と短縮版 CADL をそれぞれ2 回実施した。初回 SLTA 成績を因子分析した結果, SLTA 因子として「言語理解」, 「発話」, 「高度な言語と書字」が得られた。SLTA 因子とコミュニケーションレベルの関係を調べたところ, 「言語理解」はレベル 3 の一部援助レベルの到達に関連し, 「発話」はレベル4 の実用レベルの到達に関連し, 「高度な言語と書字」はレベル 5 の自立レベルの到達に関連した。 また, 改善においては, 大半援助レベル群では「言語理解」, 一部援助レベル群では「発話」, 実用レベル群では「高度な言語と書字」に最初の改善が認められた。言語機能とコミュニケーションレベルには, レベル上の関連が認められ, SLTA から実用的コミュニケーション能力の可能性が読みとれると考えられた。
  • 望月 寛子, 小谷 泉, 牧山 康志, 山川 百合子
    2013 年 33 巻 2 号 p. 262-269
    発行日: 2013/06/30
    公開日: 2014/07/02
    ジャーナル フリー
       フラワーアレンジメント作業による認知リハビリテーションを施行した結果, 机上検査における左半側空間無視症状が長期改善した1 例を報告する。本症例は介入前までに行った計7 回の線分抹消試験において左側2 列の刺激をすべて見落としていたが, 介入後の検査では左側2 列を含むすべての線分を認識することができた。Rey 複雑図形においても正確性の高い模写図を用紙の中央に描いた。訓練効果は介入 5 ヵ月後のフォローアップ検査でも保たれていた。本例においてフラワーアレンジメントによる認知リハビリテーションは半側空間無視症状の長期改善に一定の効果を示した。
  • 山田 恭平, 佐々木 努, 工藤 章, 仙石 泰仁
    2013 年 33 巻 2 号 p. 270-275
    発行日: 2013/06/30
    公開日: 2014/07/02
    ジャーナル フリー
       自動車運転評価における神経心理学的検査と実車評価結果の関連性を検討することを目的に, 実車評価を実施した脳血管障害者 93 名を後方視的に調査した。方法および手続きは, 実車評価に同乗した自動車学校の指導員の報告書 (実車評価結果) に基づき, 対象者を運転可能群と運転不可群に分類した。神経心理学的検査は Mini-Mental State Examination (MMSE), Kohs 立方体組み合わせテスト (Kohs), Trail Making Test(TMT-A, TMT-B)を用い, それぞれの検査の結果について, 有意水準 0.05 にて群間比較を行った。すべての検査において2 群間に有意な差を認めた (MMSE: p=0.018; Kohs: p =0.047; TMT-A: p =0.001; TMT-B: p =0.009)。次に年齢と4 つの検査を独立変数としロジスティック回帰分析を行ったところ, TMT-A が採択された。ROC 曲線からカットオフ値 (TMT-A:119 秒) を算出し, 感度 55%, 特異度 79 %との結果が得られた。視覚探索も含めた注意機能の低下が実車評価に関連したと考えられた。
短報
  • 工藤 由理, 堂井 真理, 長谷川 梓
    2013 年 33 巻 2 号 p. 276-281
    発行日: 2013/06/30
    公開日: 2014/07/02
    ジャーナル フリー
       両側前頭葉先端のブロードマン 10 野 (Brodmann area 10 : BA10) を中心とした脳損傷により, 従来の認知機能検査は一部の下位課題の低下以外は正常範囲であったが, 多重課題で低下を示し, 自己の将来について組み立てられずに何年も経過している症例を経験した。意欲低下や脱抑制もあったが, 指示されれば家事やお使いなどは几帳面によくできた。母親は「この子は, 今を生きているだけなのです。」と訴えた。 BA10 はより高次のゴールを達成するために複数の認知操作を組み合わせていく必要がある状況で動員され, 複数の事柄を同時に処理する関係統合にかかわるとされる (Ramnani ら 2004)。自己の将来について計画できない原因として, 気分や発動性の低下, 脱抑制によりその時々の刺激にひきずられることなども考えられたが, 過去の経験を踏まえて, 自己の要求に沿った, 効率のよい長期の見通しを組み立てるという複雑な多重課題の統合に係わる認知機能障害が本症例の主要因であると考えた。また, この症例に対する認知リハビリテーションについても言及した。
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