画像電子学会誌
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42 巻, 4 号
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ビジュアルコンピューティング論文特集号
論文
  • Furutsuki Ayaka, Manabe Tomohisa, Raytchev Bisser, Tamaki Toru, Kaneda ...
    原稿種別: 論文
    2013 年 42 巻 4 号 p. 429-437
    発行日: 2013年
    公開日: 2015/11/06
    ジャーナル フリー
    In this paper, we propose a method for rendering translucent objects which takes into account subsurface scattering phenomena. To calculate the luminance of a translucent object, we introduce a convolution-based approach which uses the luminance distributions caused by a set of incident light beams to the object surface. The luminance distributions of the light beams are calculated from a pair of sampled distributions. Depending on the incident angle of the light beam and the material parameters of the translucent object, the luminance distributions are interpolated in an angular parameter space obtained from the original planar space. We also propose an efficient method for calculating the convolution using light beams of different sizes. Several rendered images of translucent objects lit by slanting light beams demonstrate the usefulness of the proposed method.
  • 古屋 貴彦, 大渕 竜太郎
    原稿種別: 論文
    2013 年 42 巻 4 号 p. 438-447
    発行日: 2013年
    公開日: 2015/11/06
    ジャーナル フリー
    既存の3次元形状類似検索手法の多くは,限定的な種類の形状(例えば,剛体機械部品のCADモデル)が限定的な形状表現法(単連結の閉じたメッシュなど)で表現されていることを想定している.しかし,3 次元モデルの急増と多様化に伴い,複数の形状表現で定義され,多様な形状をもつ3次元モデルを対象とした3次元モデル検索システムへの要求が高まってきた.我々が先に提案した,3次元モデルを多視点からの見かけで比較する手法は,姿勢変化(関節の屈曲等)に対し不変で,幅広い形状表現を扱うことができる.同手法は,3 次元モデルを多視点でレンダリングし,その画像群から顕著点に基づく画像の局所特徴を抽出して形を比較する.評価の結果,同手法は,姿勢変化を許した3次元モデル群に対して良い検索精度を示したが,反面,姿勢変化がなく,複雑な形をもつモデル群の検索精度が低かった.本論文では,先行研究を元に,姿勢変化に対する不変性を備えつつ,多種の形状を精度よく検索できる手法を目指す.提案手法は,多視点レンダリング画像から密に抽出した多数の局所特徴で,形状を比較する.また,大域的な形状特徴を補うため,見かけの大域特徴を併用する.さらに,距離空間の学習により,特徴分布を考慮した距離比較を行う.複数の標準ベンチマークや3次元モデル検索コンテストによる評価実験の結果,提案手法は従来法より高い検索精度を示した.
  • 福里 司, 平井 辰典, 大矢 隼士, 森島 繁生
    原稿種別: 論文
    2013 年 42 巻 4 号 p. 448-456
    発行日: 2013年
    公開日: 2015/11/06
    ジャーナル フリー
    近年,映像要約を目的として,プレイログや画像特徴量を用いた漫画形式の映像要約手法が提案されている.しかし,従来手法の多くで,動画を適切に要約するために必要な情報量や,粒度が言及されていない.これは,取得したキーフレームを漫画として適切であるか判定するための評価尺度が存在しないからである.そこで本研究では,原作漫画からアニメ作品を制作する際,原作漫画のコマの補間が行われていることに着目し,アニメ作品に対する原作漫画との一致度合いを,映像要約の評価尺度として提案する.さらに,アニメ作品を漫画として適切に要約するためのキーフレームを,画像特徴量から判定する手法を提案する.アニメ作品をショットごとに分割し,ショット単位,フレーム単位の2 つの階層においての重要度を算出することで,アニメ作品から,原作漫画のコマに相当するキーフレームの高精度な抽出を実現し,定量的な評価結果により,その有効性を示した.
  • 石井 大祐, 渡辺 裕
    原稿種別: 論文
    2013 年 42 巻 4 号 p. 457-465
    発行日: 2013年
    公開日: 2015/11/06
    ジャーナル フリー
    近年,マンガは日本国内のみならず海外においても多数の読者を持つコンテンツとなっている.また,電子書籍閲覧可能な端末の進化と電子書籍市場の発展により,電子化されたマンガの需要も高まっている.マンガは絵,文字,擬音などの多数の要素がすべて一枚の誌面上に描かれるため,大変複雑な構造を持つ.これら登場人物や多数の要素はメタデータとして取り出すことで,ディジタル化されたマンガの利便性を向上させることができる.マンガは基本的に白黒で描かれるため,画像の特性は自然画像と異なる.このため,マンガの登場人物解析を行うためには,マンガの登場人物の特徴をうまく捉える手法を用いる必要がある.本稿では,HOG (Histograms of Oriented Gradient) とSVM (Support Vector Machine) による登場人物の瞳,顔の検出処理と,登場人物の識別処理を組み合わせることで,マンガのページ上から,特定登場人物の検出を行う手法を提案する.結果として,提案手法による特定登場人物の検出で最大0.93 のPrecision を得た.
  • 田中 法博, 望月 宏祐
    原稿種別: 論文
    2013 年 42 巻 4 号 p. 466-476
    発行日: 2013年
    公開日: 2015/11/06
    ジャーナル フリー
    本論文では,魚眼レンズとRGBカラーカメラ(RGBカメラ)で計測した全方位画像から,全方位分光画像を簡便に推定する手法を提案する.この方法では分光的に較正したカメラの情報を再利用することで,特別な計測装置を用いずに他の分光感度が未知のRGBカメラで簡易的に全方位の分光分布を推定する.ここでは第1に基準となるカメラを分光放射輝度計とカラーチャートを用いて分光的に較正する.そして,第2に任意のRGBカメラを用いて全方位画像とカラーチャートを計測する.その画像を基準カメラの色空間へ変換することで任意のRGB カメラで計測した画像から全方位の分光画像を推定する.第3に推定した全方位分光分布を用いたImage Based Lighting (IBL) によるレンダリング手法を提案する.そのレンダリング性能を向上させるために全方位のシーン照明環境の放射照度マップを作成し,Graphics Processing Unit (GPU) 上に実装する手法を述べる.さらに物体をレンダリングするために全方位の光源分布とTorrance-Sparrowモデルに基づいた分光ベースの光反射計算手法を示す.最後に太陽光,白熱電球光,蛍光灯のそれぞれの照明環境下でシーン内の色信号を推定し,その精度を検証する.また,実際のシーンの全方位分光画像を計測し,IBLにより分光的に照明された物体をCG再現,その精度を視覚的に検証する.
  • 森 智史, 福田 悠人, 小林 貴訓, 久野 義徳, 加地 大介
    原稿種別: 論文
    2013 年 42 巻 4 号 p. 477-485
    発行日: 2013年
    公開日: 2015/11/06
    ジャーナル フリー
    頼まれたものを取ってきてくれるようなサービスロボットを実現するためには,物体認識の能力が必要である.物体認識の技術は進歩しているが,まだ複雑な環境で自動で確実に物体の認識を行うことは難しい.そこで,自動で認識できない場合には,ユーザから対象物の属性についての情報を対話を通じて与えてもらい認識を行う対話物体認識を検討している.しかし,人間の表現は多様であり,同じものに対して様々な表現を用いたり,同じ表現でも状況により違った物体を指すことがある.そこで,そのような多様な表現を整理して,それに対応したシステムを実現するために,対話物体認識用のオントロジーを検討した.今回は,表現の多様性が特に顕著な形状属性について実際にオントロジーを構築し,対話による形状認識の実験システムを実現した.様々な日常品を用いた実験によりオントロジーに基づく認識の有効性を確認した.
  • 谷井 大地, 滝沢 穂高
    原稿種別: 論文
    2013 年 42 巻 4 号 p. 486-494
    発行日: 2013年
    公開日: 2015/11/06
    ジャーナル フリー
    本報告では,複数のブロック状物体が写っている単眼視画像を認識する手法を述べる.単眼視画像からエッジ画像を生成し,シーン各所においてエッジに照合する可能性の高い3次元物体モデルの候補を複数生成する.エッジと物体モデルとの関係と,隣接する物体モデル同士の位置と大きさの関係を,物体モデルを構成要素に持つマルコフ確率場を用いて定式化し,主双対内点法に基づくエネルギー最小化によってシーン全体の最適な物体モデルの配置を求める.本手法を実シーンに適用し,有効性を確認した.
  • 市野 雄大, 江田 明宏, 榎田 修一, 江島 俊朗
    原稿種別: 論文
    2013 年 42 巻 4 号 p. 495-504
    発行日: 2013年
    公開日: 2015/11/06
    ジャーナル フリー
    工場の自動化に伴い,バラ積み工業部品の位置姿勢推定に関する研究は,盛んに行われている.その中でも,詳細な位置姿勢推定の前に2次元画像から概略の位置推定を行うことは,非常に有効な手段である.そこで本研究では,Difference-of-Gaussian を利用した回転不変特徴量と,識別器としてアンサンブル分類木を利用することで,バラ積み工業部品からの概略位置推定を実現した.本論文では,新たな回転不変特徴量と特徴量の相関に基づく要素選択アルゴリズムを提案し,その有効性を実験で検証する.
ショートペーパー
  • 中島 聡, 藤代 一成
    原稿種別: ショートペーパー
    2013 年 42 巻 4 号 p. 505-508
    発行日: 2013年
    公開日: 2015/11/06
    ジャーナル フリー
    本ショートペーパーではGPUを用いて砂塵のビジュアルシミュレータをどのように高速化したかについて報告する.シミュレーション部は,空気の流れを格子ベースで,細部の乱流の動きを粒子ベースで計算するが,CUDAを用いて格子法の計算を並列化した.レンダリング部は,粒子ボリュームレンダリングを用いることで変化する半透明性の表現を実現している.この粒子ボリュームレンダリングは,GLSLによるシェーダプログラミングを利用することで高速化した.本ビジュアルシミュレータは,得られた高速性を活かし,ユーザが砂塵の軌跡をインタラクティブに制御したり,物体へインタラクションを起こしたりするような対話的なインタフェースも兼ね備えている.
国際会議
論文
  • 登 一生, 今川 太郎, 本村 秀人, 吾妻 健夫
    原稿種別: 論文
    2013 年 42 巻 4 号 p. 527-535
    発行日: 2013年
    公開日: 2015/11/06
    ジャーナル フリー
    本論文では,高解像度高フレームレートのカラー動画像を生成する方法について提案する.撮像素子の画素読み出し速度を越える高解像度高フレームレートの動画像を生成するために,提案手法では,色成分(RGB)ごとに解像度とフレームレートの異なる動画像を撮影可能な3板撮像センサカメラを想定する.そして,得られた動画像を入力として,色間の局所的なテクスチャの相関を利用して高解像度化する処理と,フレーム間の動きを利用して高フレームレート化する処理を行うことで,高解像度高フレームレートの動画像を生成する.その際,フレーム間の動きの推定と生成画像の推定を同時に行うことで,動きの推定精度の向上と生成画像の誤差低減を図る.シミュレーション実験により,動きと生成画像の同時推定が,フレーム間の動きの推定精度の向上と生成画像の誤差低減の2つの点で有効であることを示す.
  • Akio Kimura, Kazushi Toyomane, Takashi Watanabe
    原稿種別: 論文
    2013 年 42 巻 4 号 p. 536-545
    発行日: 2013年
    公開日: 2015/11/06
    ジャーナル フリー
    Affine-invariant detection of arbitrary 2D objects/shapes from images is one of the most important and fundamental issues in image recognition. In this paper, we propose a method to realize such a detection task, which uses affine-invariant ratio ρ and least-squares method (LSM). We focus on one of the geometric properties of 2D affine transformation whereby the length ratio of line segments on the same line is preserved under any 2D affine transformation, and then we adopt the affine-invariant ratio to realize fast access to the reference table. We did several experiments to verify the effectiveness of the proposed method, and as a result, we confirmed that it is available for broken shapes whose boundaries are continuously occluded by other overlapping shapes or noises, and is also sufficiently practical.
  • 守田 了, 本郷 香織
    原稿種別: 論文
    2013 年 42 巻 4 号 p. 546-553
    発行日: 2013年
    公開日: 2015/11/06
    ジャーナル フリー
    近年多数の動く錯視が紹介されている.実際には静止しているにもかかわらず動いていると勘違いしてしまう錯視である.これらの錯視の要因については議論されているものの未解明な部分が多い.本論文では仮想的な明度同化に基づく知覚映像を考慮することで,静止しているはずの動く錯視に対して本来計算できないオプティカルフローを計算する方法を提案する.このように計算された錯視フローを用いて,短期記憶映像中に張られた動く網を動かすことで,脳内で起きているなめらかな動き映像が生成できることを示す.実際に提案する視覚モデルを用いて蛇の回転や蛇クローバーなどの最適化型フレーザー・ウィルコックス錯視を見る時に,脳内で起きている動きをアニメーションとして生成できることを示すことで本モデルの有効性を示す.
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