重回帰分析手法の不適切な使い方や誤用を防ぐことを目的として,知識ベースを持つ重回帰分析支援システムRASSを開発した.RASSは重回帰分析のための使いやすい環境を提供するだけでなく,重回帰分析に関する統計手法の選択の知識と解析結果を結び付けながら推論を行い,妥当と思われる解析を使用者に助言することができる.
RASSはオブジェクト指向の考え方を基本として構成されている.そのため,重回帰分析に関する統計手法はメッセージ送信として実行し,また,解析の標準的な順序が自然に表現される.手法の使い方に関する知識ベースの利用のためには,"エキスパートシステム"技術である黒板モデルに基づく推論機構を論理型言語Prologによって実現した.さらに,必要なグラフィッタ機能の作成にはXウインドウシステムを利用した.
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