システム農学
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30 巻 , 1 号
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研究論文
  • 淺野 悟史, 水野 啓, 小林 愼太郎
    30 巻 (2014) 1 号 p. 1-8
    公開日: 2015/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は、貧困削減と森林回復を目指しラオス南部に導入された、チーク林業の拡大に伴う課題を整理する目的で行われた。筆者らは2009年以降、ラオス南部チャンパサーク県内の対象村で調査を行い、(1)農村住民の世帯所得、(2)土地利用および林産資源利用という視点から、タウンヤ式チーク林業拡大の課題を整理した。その結果、(1)主幹となる現金獲得手段として期待され導入されたにも関わらず、ほとんどのチーク林所有者が小額の収入を目的とした択伐に基づく販売を行っており、世帯所得に与える効果は非常に小さいことが明らかになった。これは対象地域の住民が複合型生業に依存していることを示唆している。(2)2009年以降のチーク林分布図では土地利用規制上、農林業が禁止されている保護林に侵入したチーク林の存在や、村の土地として割り当てられた場所以外へのチーク林の拡大が確認された。また、自然林への負荷を減じることが期待されていたチーク林所有者でも林産資源への依存度が変わらないことが示された。このような課題の解決のために、所得向上を達成しながらも自然林減少と質の低下を防ぐため、地域資源の連関性に着目した新たな複合型生業を確立させる支援施策が望まれる。
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  • 上 佳孝, 小山 里奈
    30 巻 (2014) 1 号 p. 9-18
    公開日: 2015/06/04
    ジャーナル フリー
    現在多く用いられている目視によって被度を記録する植生調査には、調査結果が再現不能であることや客観的でないことなどの欠点がある。本研究では、フィールドで撮影された地上写真を用いて再現可能、定量的に調査できる植被率や被度の調査手法の開発を試みた。2012年8月に鳥取砂丘において、対象植物種の葉群及び裸地のRGBバンド画像及び近赤外線(NIR)バンド画像を取得してサンプルデータとした。取得したサンプルデータを教師データとテストデータに均等に分割した。教師データに対して、テクスチャ解析を適用し、テクスチャ特徴量を変数として植被や種の判別を行うモデルを作成した。モデルに利用する変数の選択に際しては、相関の高い変数群を取り除いた後、多項ロジスティック回帰を用いて植生の分類に有効な変数群を明らかにした。選択した変数群を用いて線形判別分析によりモデルを作成した。テストデータに対してモデルを適用し、モデルの精度を植被と裸地の判別、分類群(綱)の判別、種の判別について検討した。また、RGBバンドを組み合わせたモデルとNIRバンド単独のモデルの精度の比較を行った。植被と裸地の判別においては、RGBモデルとNIRモデルがそれぞれ96%、87%と高い正解率を示した。NIRモデルにおいては、裸地の再現率が50%以下と低かったがRGBモデルでは全ての項目の再現率が80%以上と高かった。分類群(綱)の判別においては、RGBモデルとNIRモデルの正解率はそれぞれ86%、74%と高かった。NIRモデルでは、単子葉類の再現率が30%以下と低かったのに対して、RGBモデルでは全ての項目が70%以上と高い値であった。種の判別においては、RGBモデルの正解率が55%、NIRモデルが39%と両モデルとも低い値を示した。種によって再現率に0%~95%と大きな差があり、誤判別された種の多くは同じ分類群(綱)に判別された。これらの結果から、本研究で開発された手法を用いた地上写真を対象とした分類群(綱)の判別と植被率推定の可能性が示されたが、種の判別を行う必要がある被度推定の実用化にはまだ改良が必要であることが示唆された。
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総説
  • 大賀 圭治
    30 巻 (2014) 1 号 p. 19-25
    公開日: 2015/06/04
    ジャーナル フリー
    「食料安全保障」という政策用語は、1970 年代の世界的な食糧危機の中で使われはじめ、1980 年代にFAO などの場で、日本が主導して、「食料安全保障」についての論議が世界的に進み、1996 年の世界食料サミットでは「食料安全保障」が統一テーマとなった。日本の食料安全保障は、食料自給率の低下、つまり食料供給の海外依存の深まりの下で、国内食料供給の維持・向上と輸入食料の安定確保を課題としている。ヨーロッパの食料輸入国も日本と同様に国内生産の振興、緊急時における需要管理(配給)制度などによって食料危機に対応する食料安保の態勢をとっている。アメリカやEUのような食料輸出国・地域でも、食料不足の事態に対処する手段を制度化している。食料問題が最も深刻な後発途上国の食料問題は、貧困問題解決への国際協力のなかで取り組まれている。世界的な食料需要の増加と地球温暖化による食料・農産物市場の不安定化に対処するため、2011 年G20カンヌ・サミットでは、作物生産予測や気象予報を改善するため、リモートセンシングを活用した国際ネットワーク、「世界農業地理モニタリングイニシアティブ」の計画を進めることが決議された。このような食料安全保障の問題を解決するためのツールとして、リモートセンシングを基礎とする農業情報システムの活用が世界的に期待されている。
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  • 大吉 慶, 貫井 智之, 祖父江 真-
    30 巻 (2014) 1 号 p. 27-33
    公開日: 2015/06/04
    ジャーナル フリー
    地球観測衛星データから、農業統計情報や農作物の生育に関する早期警戒情報を得られることができれば、食料安全保障に関わる意思決定において有用である。宇宙航空研究開発機構(JAXA)に属する筆者らは、国内外の研究機関や大学、利用者となる機関と連携して地球観測データの食料安全保障分野への利用に関わる研究開発を実施してきた。地球観測衛星データを活用する総合的な作物監視システムを実現するには、耕作地図作成システム、農業気象および生育監視システム、単収・収量推定システムといったサブシステムが必要である。JAXA はこれまでに、特に米の作付面積・収量推定、農業気象を把握するための手法およびシステムの研究開発などを実施してきた。本稿では地球観測衛星データの農業監視に関わる国際的な枠組みと、JAXA がこれまでに開発したシステムのプロトタイプとその利用について紹介する。
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