以上の実験結果から,Si単結晶の電解パフ仕上について次のことがわかった.
(1)WA#1500砥粒でラップ仕上したSi単結晶は一工程の電解バフ仕上によって,加工層のない面は得られたが,鏡面は得られなかった.
(2)電流密度によって仕上面状態は2種類に分類される.一つは電流密度110mA/cm
2以下の場合で,全面にわたってエッチピットが見られる面であり,このエッチピットは仕上時間の増加とともに大きくなる.他の一つは電流密度150mA/cm
2以上の場合で,全面にわたってごく小さいおうとつが無数に見られる面であり,これは仕上時間の増加によってほとんど変化しない.
(3)WA#1500砥粒でラップ仕上したSi単結晶を,いったん電流密度150mA/cm
2で5min間仕上げて全面にわたってこぐ小さいおうとつが無数にみられる面にし,その面を限界電流密度で5min間仕上げるとその面は鏡面になった.しかし,材料の不均質によるものと考えられる年輪状の縞模様が見られた.
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