関西医科大学雑誌
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44 巻, 3 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 覚醒反応および誘発筋放電を対象として
    増田 安民
    1992 年 44 巻 3 号 p. 155-168
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    Ketamineの中枢作用機序を究明するため,ウサギを用いて電気生理学的実験を行った.
    1)脳幹網様体,大脳皮質および海馬の100Hz刺激による覚醒反応および誘発筋放電の刺激閾値は,Ketamine投与(1.O-10.Omg/kg)により上昇したが,その上昇率は比較的低いところから,Ketamineの意識ならびに運動機能への抑制効果は軽度であることが考えられた.
    2)Ketamineの少量投与下(0.3-0.5mg/kg)では,脳幹網様体刺激による覚醒反応の刺激閾値は軽度ながら低下し,また視床VA核(VA)刺激によるrecruiting responseは強く抑制された.
    3)あらかじめVAを電気凝固により破壊したウサギにおいては,Ketamine少量投与による覚醒反応刺激閾値の下降は認められなかった.2),3)によりKetamineの少量投与下における覚醒反応刺激閾値の低下は,VAを含む汎性視床投射系の抑制により,この系から脳幹網様体への抑制効果が減弱したためであることが示唆された.
  • SMV,侵害反射性筋放電,M・H波,MVを対象として
    増田 安民
    1992 年 44 巻 3 号 p. 169-178
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    Ketamine hydrochloride(以後Ketamine)の鎮痛作用をはじめとする中枢作用機序について検討するために,坐骨神経刺激による上眼瞼のmicrovibration(sciatic evoked eyelid microvibration,SMV),侵害反射性筋放電,M・H波および光刺激により上眼瞼に誘発されるmicrovibration(MV)を対象とした実験をウサギを用いて行った.
    1)SMVはKetamineの少量投与(0.5mg/kg)により振幅の減少を示し,さらに増量(1.0-10.Ong/kg)するのに伴い著明な振幅の減少を示した.
    2)あらかじめ縫線核を電気的に破壊したウサギにおいては,Ketamine投与によるSMVの振幅の減少は,非破壊群に比し軽減されることが認められた.
    3)視床のnucl.ventralisanteterior(VA)を電気的に破壊したウサギおよび大脳皮質をキシロカイン塗布により麻酔させたウサギにおいては,Ketamine投与によるSMVの振幅の減少には,それぞれVA非破壊群ならびに大脳皮質非麻酔群に比し有意の変化が認められなかった.上記1)-3)の成績より,Ketamineは強力な鎮痛作用を有すること,このKetamineの鎮痛作用には縫線核が直接的あるいは間接的に関与するが,VAおよび大脳皮質は関与しないことが考えられる.
    4)坐骨神経刺激による侵害反射性筋放電の加算波形の振幅は,KetamineO.3gig/kgの少量投与により著明に減少した.したがって,Ketamineは多シナプス反射を抑制することが明らかとなった.
    5)M・H波の振幅は,Ketamine投与により著変を示さなかった.したがって,Ketamineは単シナプス反射や神経筋接合部には影響を及ぼさないことが明らかとなった.
    6)光刺激による上眼瞼のMVの振幅は,Ketamine少量投与下(0.3-0.5mg/kg)では,むしろ増大したが,それより増量(1.0-10.0mg/kg)すると,軽度の減少を示した.したがって,KetamiRe少量投与下では,意識レベルはむしろ高まった状態となり,また増量した場合でも,意識への影響は軽度であることが確かめられた.
  • 松原 峰生, 酒井 めぐみ, 山上 和寿, 北澤 康秀, 田中 孝也
    1992 年 44 巻 3 号 p. 179-183
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    過去5年問に搬入された急性中毒症例65例について患者背景,転帰,患者搬送,起因薬剤,入院日数,施行された治療法,自殺例についての検討を行った結果,多くは自殺症例でありまた再企図者も多く認められた.従って,精神科的対応または,毒物の入手経路遮断などその予防対策への取り組みがさらに必要と思われた.患者搬送では,診断の遅れや,誤った治療のために症状の悪化をみる症例も比較的多く,1次施設への中毒患者の治療の啓蒙や,本邦での中毒学の立ち後れに対してする対応が必要と考えられた.しかもその原因のひとつに中毒例では入院時に,バイタルサインが比較的安定しておりその重症度を十分に判断し得ないことに問題があると思われた.治療に関しては,パラコートにおいて現在のところ有効な治療法はなく,唯一考えられる方法は,超早期にパラコートの排出を図ることではないかと考えている.
  • 中尾 哲
    1992 年 44 巻 3 号 p. 214-218
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
  • 伊林 範裕
    1992 年 44 巻 3 号 p. 219-227
    発行日: 1992/09/20
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
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