図学研究
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35 巻, 4 号
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  • 井野 智, 辻 美奈子, 佐藤 仁一朗, 宮腰 直幸
    2001 年 35 巻 4 号 p. 3-10
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    CADを用いて作成した建築パースの多くは, 外壁のタイル目地, サッシ, ガラス窓などの表現が全面均一に仕上げられているため遠近感やスケール感に乏しく, 点景や遠景の描き込みが不十分なため見る人に無機質な感じをあたえる.CAD作品のもつこのような欠点を改善するには, 視点からの距離に応じて描き込みを簡略化する, いわゆる, 省略遠近法の導入が不可欠である.本研究では, 建築を描く際に画家やパース専門家が省略遠近法や点景などをどのように描画しているかを作品分析で明らかにするとともに, 細密すぎる描画が遠近感を損ないやすい鉛直材の透視図上の幅を計算で求め, 複線表現や着色限界の指標値を検討する資料を提示した.
    前半の作品分析では, (1) CADによる作品, (2) 建築パース専門家による手描き作品, (3) 画家または建築家による絵画各4例を相互に比較し, (2) が建物自体の形態・色彩・テクスチャーや周辺環境をもっとも的確に表現していることを明らかにしたのち, 複数のパース作品集より, (1) 事務所建築, (2) 商業建築, (3) 公共建築, (4) レジャー施設, (5) 集合住宅各20例を抜粋し, 建築細部の簡略表現や点景・遠景描画などの技法について定量的な分析を試みた.一方, 鉛直材の簡略表現に関する定量的検討については, 円形または正方形断面をもつ鉛直材の透視図上の幅と, 隣接材との隙間を求める計算式を導き, 上記指標値を具体的に検討できる資料を提示した.
  • 佐藤 尚
    2001 年 35 巻 4 号 p. 11-18
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    近年, どちらかというと解析手法しての利用が主であったMathematical Morphology (モルフォロジー) を, 画像生成に利用する研究行われるようになってきた.例えば, 3次元物体同士のモーフィングにモルフォロジー演算を利用した手法の研究や, モルフォロジーに基づく形状変形オペレータを利用することによって, 時間進行につれて形状が変化する現象のCGによる再現の研究などである.これらの研究では, 物体形状をボクセルモデルで表している.しかし, 一般のCG映像製作において利用するためには, ボクセルモデルではなく, ポリゴンモデルなどに対しても適用できる手法であることが望ましい.
    本論文では, モルフォロジーに基づく形状変形オペレータと似たような効果を持つ操作を, CSG演算を利用して実現する手法について述べ, その実現を試みる.ここで対象にした形状変形オペレータは, dilation, erosionである.この二つのオペレータを合成して得られるオペレータに対応した擬似的な操作を利用して, 経時変化に伴う物体形状の変化を表現する.この手法では, 実際に物体形状を変形するのではなく, レンダリング時に擬似的に物体形状の変化を計算し, それに基づいて表示を行う.
  • 荒木 勉, 堀越 眞理子, 山島 一浩
    2001 年 35 巻 4 号 p. 19-25
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    東京家政学院筑波女子大学短期大学部情報処理科におけるCAD教育では, 製図の基礎を全く知らない女子学生が情報処理ツールとしてのCADに興味を持ち, 積極的に学べるようテーマを考慮して指導している.内容的には情報処理科の女子学生への指導であるため特に機械要素等の入らない作図を通して学ばせている.これらの作図にはハガキの大きさの枠の中で描いて作る紙飛行機, 斜にカットされた箱の製作のための展開図, 模型の機関車の縮尺と雰囲気にあわせて作る建物, ケント紙で作り模型のモーターと単三電池でプーリーを介して輪ゴムの動力伝達で走らせるペーパーカー, アクリル板で作るクリスマスツリーの飾りのための作図等, 作るための図面としてCADで描き, できあがった作品の形状や機能を検討し, フィードバックをしてCADで描き直しながらより良いものになるよう改良を重ねる.CADによる作図を通し, 一連の流れの中で学生自身による企画や作図時のイメージと仕上がった作品との比較, また友達の作品との比較を行い検討し改善を加えながら順次課題を進める.学生自らの判断で最適化に向けての思考活動がスムースになされるような教材を用いCAD教育として取り組んでいる.これらは授業における最後の課題としてのペーパーカーの製作とレース, 及びペーパーカーの作り方マニュアル作成に焦点を合わせている.その最終課題に向けたCAD教育の取り組みの流れとその基本的考え方を教育実践結果としてここに報告する.
  • 真下 哲也, 平野 重雄
    2001 年 35 巻 4 号 p. 27-32
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    情報技術の急速な進化や経済環境のみではなく技術の分野におけるグローバル化の進展により, 製品の開発設計の現場は, その環境や業務も質的な変化をしている.例えば, 自動車製造業は国際的競争の激化, 同業種内での企業の再編成などが活発化しており, さらに, 変化の激しいユーザの期待に応えるために, 素早く適品質な製品を低コストで提供できるように, 商品企画から営業販売までの全てのビジネスプロセスを革新している.
    このような背景を基に, 開発設計の現場ではさらなる進化のためにCAD, CAEといった情報技術を駆使して, 開発設計-製造のコンカレント化による設計業務の効率化を推進している.なかでもCADの普及率はほぼ100%となり, 設計業務のツールとして広く活用されるようになった.
    CAD導入で今までの手描きの図面からCAD図面へ変わったことにより, 高いトレーサ技能の必要がなくなる反面, 製図機器に未熟な技術者でも簡単に図面が描けるようになり図面品質の向上がはかられている.しかし, 一方では三次元CADの導入により, 製品形状を三次元の立体形状としてCADデータ化できるようになったため, 形状認識が容易になるが三次元CADデータをどのように作成し, どのように有効活用したらよいかという問題が発生している.
    そこで, 本報では, 5業種を対象とした二次元CADと三次元CAD活用状況の調査結果ならびに製造業の設計現場から見たCAD図面作成とCADデータ活用上の問題点を明らかにし, 今後どのような研究が必要なのかの指針を得るために考察した.
  • 小山 清男
    2001 年 35 巻 4 号 p. 33-38
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 本郷 健
    2001 年 35 巻 4 号 p. 39-54
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
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