水環境学会誌
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技術論文
  • 勝又 麻鈴, 樋口 佳樹, 生地 正人
    原稿種別: 技術論文
    2024 年 47 巻 3 号 p. 85-93
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/05/10
    ジャーナル フリー

    ケナフを植えた装置と植えていない装置の2種類の竹式傾斜土槽装置を製作し, 台所排水の浄化性能を検証した。実験の結果, ケナフあり・なしの平均BOD除去率は, それぞれ87.5%と79.7%となり, ケナフありの方が8%高い結果となった。また, 全窒素および全リンの除去率は, ケナフありの方がそれぞれ13%と8%高い結果となった。除去されたリン・窒素のうちケナフに吸収された割合は, それぞれ29%と45%であった。装置内のケナフは1日通水量10 Lあたり最大約1 Lの水を吸い上げており, 装置内の保水力が大きくなることで滞留時間の確保につながっていた。傾斜土槽装置にケナフを植えることによって, 直接的な吸収による窒素やリンの除去効果だけでなく, 間接的にBODの浄化にも大きな効果が期待できる。

調査論文
  • 近藤 健, 河田 育子, 栢原 博幸
    原稿種別: 調査論文
    2024 年 47 巻 3 号 p. 95-103
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/05/10
    ジャーナル フリー

    2019年9月と12月に大阪湾の湾奥部と湾東中部の2か所で, 表層に浮遊する0.35 mm以上, 5 mm未満のマイクロプラスチック (MPs) の個数密度を測定した。その結果, 9月湾奥部で4.1 個 m-3と最も高密度で, 環境省により報告された2015年の大阪湾の湾奥部における0.75 個 m-3, および瀬戸内海6定点における平均個数密度の0.35 個 m-3に比べ突出して高かった。その要因として, 調査前日の激しい降雨により淀川水系および大和川水系から大阪湾へ出水したこと, 調査日の潮差が小さかったこと, 調査日前後に卓越した南西風による湾奥の停滞性が高まったことなど, 複数が挙げられた。湾奥部のMPsは, 9月には発泡ビーズ, 人工芝, 肥料殻で49.4%を占めた。一方で, 12月には肥料殻は全く確認できなかった。MPsの個数密度とその由来は季節変動することが推察された。

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