整形外科と災害外科
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68 巻, 4 号
選択された号の論文の53件中51~53を表示しています
  • 伊藤田 慶, 林田 光正, 播广谷 勝三, 川口 謙一, 岡田 誠司, 松下 昌史, 幸 博和, 飯田 圭一郎, 中島 康晴
    2019 年 68 巻 4 号 p. 795-798
    発行日: 2019/09/25
    公開日: 2019/12/17
    ジャーナル フリー

    【目的】運動器検診開始後における思春期特発性側弯症(以下AIS)の発見理由を明らかにすること.【対象と方法】対象は2016年4月から12月に当院でAISと診断された44例.発見理由,年齢,主カーブCobb角,初期治療法を運動器検診開始前後で比較検討した.【結果】発見理由は学校検診群33例(75%)であった.運動器検診開始以前は学校検診群44% であり,運動器検診開始により学校検診群の割合が増加した.また運動器検診開始前後で発見時年齢は平均13.2歳から12.9歳,主カーブCobb角は平均37.7°から27.8°といずれも低下した.側弯症という疾患を知っていた症例は34例中10例(29%)であった.【考察】運動器検診の開始に伴い学校検診による発見の割合は増加し,発見時年齢と主カーブCobb角が有意に減少した.AISの早期診断,早期介入に寄与したと考えられた.しかしながらAIS診断における家族,学校医の役割は大きい.継続的な脊椎専門医による教育と啓蒙が必要と考えられる.

  • 中村 良, 濵井 敏, 薛 宇孝, 本村 悟朗, 竹内 直英, 藤井 政徳, 松延 知哉, 池村 聡, 遠藤 誠, 福士 純一, 松本 嘉寛 ...
    2019 年 68 巻 4 号 p. 799-804
    発行日: 2019/09/25
    公開日: 2019/12/17
    ジャーナル フリー

    【はじめに】大腿近位部悪性腫瘍治療後に大腿骨頭すべり症を発生した症例を2例経験したので報告する.【症例1】4歳時に右大腿骨骨幹部Ewing肉腫に対し,化学療法,自己末梢血幹細胞移植,放射線治療(40 Gy)を受け,寛解した.9歳時に右大腿骨頭すべり症(後方すべり角70度)を生じ,大腿骨頭前方回転骨切り術を施行した.脚長不等に対し,13歳及び20歳時に仮骨延長を行った.【症例2】1歳時に左大腿部横紋筋肉腫に対し,術前後化学療法,広汎切除術,放射線治療(36 Gy)を受け,寛解した.7歳時に左大腿骨転子下病的骨折を受傷し,骨接合術,腸骨骨移植を施行した.9歳時に左大腿骨頭すべり症(後方すべり角30度)を生じ,in situ pinningを施行した.術後半年ですべりの増悪を認め,抜釘,大腿骨転子間屈曲外反骨切り術を施行した.【考察】小児悪性腫瘍に対する放射線照射の晩期合併症として,成長障害,病的骨折に加えて,大腿骨頭すべり症が知られる.当科で経験した2例について,文献的考察を加えて報告する.

  • 北島 雄人, 森本 忠嗣, 園畑 素樹, 馬渡 正明
    2019 年 68 巻 4 号 p. 805-807
    発行日: 2019/09/25
    公開日: 2019/12/17
    ジャーナル フリー

    骨粗鬆症や骨腫瘍の鑑別疾患として原発性副甲状腺機能亢進症(PHP)が知られるが,初期診断における整形外科の関与についての詳細な報告例はない.当院にて2005年8月~2016年11月のうちにPHPと診断された100例を対象とし,整形外科受診歴と加療内容,診断の契機,単純X線所見,骨粗鬆症,脆弱性骨折の既往を調査した.整形外科受診歴があったのは34例(34%)で,そのうち16例が原発性骨粗鬆症として加療されていた.整形外科受診を契機に診断されたのは15例(15%)であったが,特徴的な骨病変所見を契機として発見された症例はなかった.PHP診療において整形外科は初診で関わることは稀ではなく,多くは原発性骨粗鬆症として加療されていた.骨粗鬆症の診断・加療では鑑別疾患としてPHPを念頭において診療にあたる必要性があることを認識させられた.

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