本研究では,まず観察・実験活動における生徒のメタ認知の実態を明らかにし,次に生徒のメタ認知の働きを高めるための指導法への示唆を導出することを目的とした。このため,中学校1〜3年生248名を対象に,14項目から成る質問紙調査を行った。その結果,次の3点が明らかになった。①観察・実験活動において,生徒はある程度メタ認知を働かせている。②観察・実験の前では他者との関わりによるメタ認知,途中では自分自身によるメタ認知の働きが高い。しかし,観察・実験の後ではどちらのメタ認知の働きも十分ではない。③生徒のメタ認知の働きには,教師の関わりが強く影響している。そして,生徒のメタ認知の働きを高めるための指導法への示唆として,次の2点を導出した。(1)仮説に照らして結果を考察する場面において,グループでの活発な話し合いを多く取り入れる。(2)同場面において,生徒のメタ認知的な意識を高めるような問いかけ,フラッシュカードなどを活用する。
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