近年.言語活動の重視が叫ばれ,談話を通した協調的な学習が盛んに実践されてきている。本研究においては. Scardamalia,M.の学習支援研究を参照することで,理科における対話的な授業について議論した。プロトコルの分析の結果,以下の点について明らかとなった。(1)科学概念構築が図られる授業では,教授行動をとる際の教師の意図としてScardamalia,M.の12の因子が働くことが確認できた。(2)子どもは,学級内で表現した言葉を専有(appropriation) しながら,科学概念構築を図ることが確認できた。(3)教師は,科学概念構築が図られるように,子どもとの対話において.ハブの役割を果たしながら学習活動をコーディネートしている。(4)Scardamalia.M.の学習支援に関する理論やPalincsar,S.による教授行動の理論が,授業分析の枠組みとして使用できる。
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