日本古来の民家の様式として, 間取り, 畳, 建具, 木割等の標準仕様が全国に普及していたが, 1950年頃から建築基準法によって基礎に建物を緊結する構造様式が不可欠になり, そのため金具が多用され, リュース困難な建築様式になった。現在, 建設廃棄物の約60%が何らかの形でリサイクルされ, 2000年度には80%を目標に廃棄物削減の努力が続けられている。リサイクル型住居として, 自然の生態連鎖系で完結させる木造を主構造体とした富山での試作と, 人工の産業間連鎖でエネルギーを使用するが限りなく物質循環系を完結させる鉄を主構造とする九州での試作を提案する。富山では木造・土壁・石基礎等天然素材と大工等による手作り住宅で, リサイクル率90.6%という高い目標に到達した。九州では, 鉄, アルミ, ガラス等の人工建材で企業の協力の下に, 450年間に1回資源が廃棄されるだけの省資源型住宅となった。
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