廃棄物学会誌
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9 巻, 5 号
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  • 植田 和弘
    1998 年 9 巻 5 号 p. 355-357
    発行日: 1998/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
  • 青山 勲
    1998 年 9 巻 5 号 p. 358-367
    発行日: 1998/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    ダイオキシン, 環境ホルモンに代表される有害化学物質による環境汚染は, 地球規模にまで拡大し, あらゆる生命体と生態系の存亡と破壊に関わる重大な影響をおよぼすことが懸念されている。化学物質の環境影響評価は, 人の健康におよぼす影響と生態系におよぼす影響とが区別されて論じられることが多いが, 共通の問題として認識されることが重要である。
    有害化学物質の生態毒性を論じる場合, 学問的には生態系の構造と機能に関わるところでの評価がなされねばならない。実際に環境に放出された化学物質の環境影響評価には対象とする化学物質の化学分析とバイオアッセイとが並行して行われることが必要である。しかし市場に出ているすべての化学物質を化学分析によって検出することは事実上不可能である。そこで先ずバイオアッセイによって有害化学物質の存在を確認した上で, 物質の測定を行って, そのリスクの大きさを評価するのが望ましい。本稿では化学物質の生態影響評価におけるエンドポイント, バイオアッセイの方法, 考え方について述べた後, 最後に事例として, 産業廃棄物埋め立て地からの浸出水の生態毒性評価について述べる。
  • 稲森 悠平, 高松 良江, 須藤 隆一
    1998 年 9 巻 5 号 p. 368-378
    発行日: 1998/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    化学物質や微量汚染物質含有排水の水圏生態系に対するエコシステムレベルでの毒性試験の重要性が指摘されている。しかしながら, 主として用いられている現在の試験法は, OECD試験に代表される単一生物種試験である。本報では, 水圏生態系への影響を評価するために, 複数以上の生物種が存在し, 生産者・捕食者・分解者の存在する多種生物系試験としてマイクロコズム試験に着目し, 化学物質や微量汚染物質含有排水の水圏生態系におよぼす影響について, 既往の研究成果をふまえ, マイクロコズム試験の有効性と活用法についての意義を述べた。また, 同時にマイクロコズム試験は, 現実の湖沼・池・河川等の場とコンパラブルではないにしても, 生態系の構造, 機能等とはコンパラブルであり生態系のモデルとして有効であることから, 物質循環・エネルギーフロー・生物間相互作用が存在するマイクロコズムを生態系のモデルとして生態系影響評価試験として活用することの重要性を明らかとした。
  • 市川 和洋, 鄭 然孫, 内海 英雄
    1998 年 9 巻 5 号 p. 379-383
    発行日: 1998/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    in vitro簡易毒性評価系を水質評価に適用するためには, その毒性学的意義を明確にすることが重要である。本研究では酸化ストレスに着目し, 有機ハロゲン化合物の簡易毒性評価法として動物培養細胞を用いたin vitro小核試験とともにマウス個体での肝障害性の評価系を開発し, in vitro簡易毒性評価系の確立を図った。
    塩素化フェノールによる小核形成はS9mixにより亢進し, ラジカル消去剤により有意に抑制されたことから, 活性酸素種の関与と酸化ストレス評価の有効性が示された。一方, マウス個体では四塩化炭素・塩素化フェノールともに血清GOT量を上昇させ, またマウス上腹部のラジカル反応を亢進させたことから, これら化合物の肝代謝物が酸化ストレスを惹起し肝障害をもたらすことが示唆された。本研究で構築した系はin vitro簡易毒性評価法での結果を個体毒性の面から検証することが可能で, その毒性学的裏付けを行う上で有用であろう。
  • 細見 正明, 金子 栄廣
    1998 年 9 巻 5 号 p. 384-393
    発行日: 1998/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    廃棄物に起因する有害性を, 総合的に評価する方法として, 生物検定法 (バイオアッセイ) が注目されている。本文では, 現場で, しかも迅速にかつ簡易に評価できるスクリーニング手法の確立に向けて, 細菌, 藻類, 動物プランクトンを用いた急性毒性試験による廃棄物の有害性評価を試みたいくつかの事例について, 各試験方法を概略した上で, 廃棄物自身の有害性評価と有害な廃棄物 (汚染土壌も含む) の無害化処理プロセスの評価の観点から紹介した。
  • 花嶋 正孝, 立藤 綾子
    1998 年 9 巻 5 号 p. 394-403
    発行日: 1998/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    昨今, 有機化学物質による生態系の異常が顕在化しており, 化学物質の安全性評価手法としてバイオアッセイが注目されている。本報は, 埋立地周辺の安全性を評価することを目的として, 著者らが十数年来調査研究を行ってきた「埋立地の変異原性」について取りまとめたものである。その中で, 埋立地浸出水中の変異原性物質はpH2の酸性条件下でSep-Pak Plus CSP 800に効率よく吸着される物質であることがわかった。また, 浸出水中の変異原性物質の大部分がS.typhimurium TA 98株, S9mix無添加条件下で検出されるフレームシフト型の直接変異原物質であり, 変異原性をモニタリング指標として利用する場合, 検出操作の簡素化が期待できることがわかった。埋立地における変異原物質の消長は微生物の好気性代謝と関連しており, 変異原物質は埋立層内が好気的になる程早く浸出水中に溶出し, 早期に消失することもわかった。これは, 埋立地において変異原物質の制御が可能であることを示している。今後の課題として, (1) 非変異有害物質の検出方法の確立, (2) 埋立地内に存在する変異原前駆物質のリスト評価上における位置付け, (3) 変異原物質の化学的正体の解明等が残された。
  • 1998 年 9 巻 5 号 p. 404-408
    発行日: 1998/07/31
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
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